マスク氏のテスラ非公開化断念、サウジなど投資家の支持読み誤ったか

  • サウジ当局者の間では自らの役割が集める注目について不安が起きた
  • 米時間27日の取引開始後、テスラ株は再び荒い値動きに戻る可能性

テスラの非公開化を検討しており、資金を確保した、との8月7日のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)による驚くべきツイートは、同氏の典型的なムーンショット(困難だが実現すれば大きな影響をもたらし得る挑戦)だった。これに信ぴょう性を与えたのは、こんな大胆不敵な計画を成し遂げられるのは同氏以外にいないという見方だけだった。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、マスク氏が非公開化計画を取り下げた時、急きょ集められたバンカーやアドバイザーらは作業にほとんど着手していなかった。マスク氏は恐らく、サウジアラビアの支援者を含め、自分を支持してくれると確信していた投資家の反応に動揺したのだろうと、別の関係者が述べた。同氏は24日夜のブログで、大半の株主がテスラの上場維持を望んでいると認めた。

イーロン・マスク氏

フォトグラファー:マーク・ブレーキ/ゲッティイメージズ

  米時間27日朝に株式市場がオープンすれば、投資家は再び値動きが荒くなる可能性を覚悟しなければならない。テスラは8月7日以降288ドルから387ドルの間で推移し、マスク氏が非公開化を検討しているとした水準の420ドルを大きく下回っている。24日の終値は322.82ドル。

  これまでの展開をみると、サウジの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が非公開化計画の支援に意欲的だとの考えに基づいてマスク氏が「資金を確保した」とツイートし、その後に「投資家の支持が確認された」と表明した際、同氏が大きく見誤ったことが示唆される。米証券取引委員会(SEC)は現在、同氏のツイートやブログ投稿の調査を進めている。

  マスク氏が計画を表明したことで、サウジ当局者の間では自らの役割が集める注目について不安が起きたと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。マスク氏が「資金を確保した」というツイートを正当化するために13日のブログ投稿でサウジ政府系ファンドとの協議について詳細を説明したことにもサウジ側は不満があったほか、株主訴訟やSECの調査の影響を巡る懸念もあったという。

原題:Musk’s Brazen Gambit Collapsed as Investor Support Withered(抜粋)

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