JFEHD副社長:鉄鋼需要強い、潜在懸念あるが好環境続く

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  • 米国の鉄鋼輸入関税の引き上げは業績に大きな影響は与えていない
  • 強い需要を取り込むため操業安定化による粗鋼生産拡大が最大課題

JFEホールディングス(HD)の岡田伸一副社長は「米中貿易摩擦や為替動向など潜在的な懸念材料がたくさんあるとはいえ、国内外の鉄鋼需要は強い」と述べ、当面は鉄鋼事業を取り巻く好環境は続くとの見方を示した。

  岡田副社長は23日のインタビューで「国内の鉄鋼需要は自動車をはじめどのセクターも好調」とした上で「中国の景気は底堅く、東南アジアの自動車需要も高い。インドも堅調だ」と指摘。「足元で国内外の鋼材需要は非常に強く、当面はこの調子が続く」と語った。

  JFEHDは7月、今期(2019年3月期)の連結経常利益を2600億円と期初予想から400億円上方修正した。中国の減速リスクなどを警戒していたが、鋼材の輸出市況が想定よりも堅調に推移しているとして、鉄鋼事業の利益を1600億円から2000億円に引き上げた。

  中国での熱延鋼板のスポット価格は高値圏にある。主原料である鉄鉱石や石炭価格を差し引いた利ざやに当たるスプレッドも高水準で推移している。国内向けの鋼材価格の値上げ浸透もあり、マージンの改善で前期と比べて800億円の経常増益要因を見込む。一方、亜鉛やマンガンなどの副原料価格の上昇や資材費、物流コストの増加で計500億円の減益要因となる見通し。

JFEHDの経常利益の推移

出所:会社資料から、18年度は予想

  一方、岡田副社長は「鋼材需要は非常に強いので、生産量を増やすことが最大の課題」と説明。操業トラブルを減らすことで、18年度はJFEスチール単体の粗鋼生産量として07年度以来の高水準となる2900万トンの達成を目指す。18年4−6月期は西日本製鉄所(岡山県倉敷市)でトラブルがあったことなどから同生産量は710万トンにとどまった。

  現在、製鉄所ごとに分かれている生産・品質管理のコンピューターシステムの共通化を進めており、トラブルの原因や対策をそれぞれの製鉄所で共有できるようにすることで操業の安定化につなげることにも取り組んでいる。

  米国が鉄鋼製品の輸入関税を25%に引き上げたことに関しては、業績への大きな影響は出ていないと指摘。一方、米国が検討している自動車の輸入関税引き上げについては、実施された場合の鉄鋼需要に与える影響も大きいとして「当然気にはなる」として、動向を注視する考えを示した。

  (更新前の記事では5段落目の西日本製鉄所の場所を訂正しています)

(6段落目を追加します.)
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