楽天、携帯参入で顧客拡大に自信「他社よりバリュー」:百野COO

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  • 銀行・カード・電子マネーあるのは「楽天だけ」-会員既に9000万人
  • 携帯事業で未発表の新技術導入へ、低コストで通信網を構築

Photographer: Kiyoshi Ota / Bloomberg

Photographer: Kiyoshi Ota / Bloomberg

楽天は来秋の携帯電話事業参入を契機に、電子商取引から金融まで幅広く手掛けるサービスを総合的に強化する方針だ。百野研太郎最高執行責任者(COO)は数カ月以内に発表する「新技術」が、今後の楽天の成長の鍵となる携帯契約者増加の起爆剤になると自信を見せた。

  楽天はネット通販「楽天市場」や旅行、クレジットカードなど約80のサービスを展開、会員は全体で9000万人以上いるという。同社は携帯事業に参入することで「楽天グループ」の顧客数を増やしたい考え。百野氏はインタビューで「サービスを組み合わせたときのライフタイムバリュー(顧客生涯価値)がどの競合よりも高ければ継続性があるし、利益率も上がる」と述べた。

  同社は携帯事業に加え、決済事業と商品の保管から配送までを一括して扱うワンデリバリー事業の強化を重視している。百野氏は携帯事業強化でNTTドコモauソフトバンクと競合する立場になるとの認識を示した上で、「銀行もカードも電子マネーも全部持っているのはうちだけだ」と述べ、携帯の顧客を軸にしたワンストップサービス強化への意欲を語った。

  楽天の三木谷浩史社長は1997年に楽天市場を開設し、2000年半ば以降はクレジットや銀行、電子マネーなど金融を中心に事業を強化してきた。多くの顧客を楽天グル-プでの購買に結びつけ収益基盤を拡大する狙い。他キャリアの通信網を借りて14年に格安スマホ(MVNO)事業に参入したが、収入も増える自前主義に転換した。

  同社は25年までに通信網構築に6000億円規模の投資を計画しているが、市場の目は厳しい。米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは楽天の投資規模は少なすぎると指摘し「サービス開始まで1年以上あり、マーケットはそこまで疑心暗鬼が続く」とみている。ドコモは過去10年間で年に平均6700億円を、ソフトバンクも同平均4000億円を投資している。

  これに関連して百野氏は、最新設備を導入できるなど後発者のメリットを挙げた。楽天はインドで急成長した携帯大手から引き抜き、6月に最高技術責任者(CTO)に迎えたタレック・アミン氏が持つ革新的な新技術により低コストでの通信網構築が可能という。新技術の詳細は「数カ月以内に説明する」と述べるにとどめた。

  また百野氏は会社全体の収益力向上のため、利益率も高く同社の稼ぎ頭であるクレジットカードを含むフィンテック事業の強化を挙げ、「楽天市場の会員がカード会員になると市場で使うお金が倍になった」とその重要性を説明した。来年秋の携帯事業参をカード会員の増加につなげたい考えだ。

  27日の楽天の株価は前週末比3.7%高の808.7円で取引を終了した。

(第7、8段落に百野氏の発言や株価動向を追加しました.)
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