旭化成:ヘルスケア分野でも大型買収へ、バイオ医薬品市場に商機

  • 買収規模は1000億円超、景気動向に左右されない高い収益率を期待
  • 自動車や環境と並ぶ成長分野に位置付け-買収戦略で収益安定化

旭化成はヘルスケア部門を強化するため、バイオ医薬品関連分野での企業の合併・買収(M&A)の検討に入った。すでに対象企業の絞り込みに入っており、投資額は少なくとも1000億円を超える見通し。景気に左右されにくく、高い利益率が期待できるとみて大型買収をてこに収益力強化を図る。

  高機能マテリアルズ事業本部長を務める濱井研史常務執行役員が21日、インタビューで明らかにした。具体的には、バイオ医薬品などの効果を高めるために必要な添加剤の製造技術を持つ企業の選定作業を進めている。得意とする素材合成や医薬品開発の知見も生かし事業基盤を拡大する。

  濱井常務は買収規模について「最低でも1000億円は覚悟している」と述べた。製薬メーカーの事業部門やベンチャー企業なども対象に含めている。厳格な品質管理が求められるなど事業参入のハードルは非常に高いとしながらも、「相当安定的な高収益体として会社全体の収益性を押し上げる貢献ができる」と述べた。

  バイオ医薬品は従来型の医薬品では治療が難しいがんや免疫疾患などに使用される。添加剤は薬の効果を高めるのに不可欠だが、海外を含め研究開発負担の大きい大手製薬各社は製造を外部委託する傾向にある。旭化成はこれらを顧客に想定している。2019年度から3年間の新中期経営計画の期間中に早期の買収実現を目指す。

  旭化成は15年に約2600億円でリチウムイオン電池の主要部材メーカー、米ポリポア・インターナショナルを買収。今年7月には自動車内装材などを製造する米企業を買収すると発表した。自動車や環境と並んで重点分野に位置付けているヘルスケア向けの材料事業でも大型買収に踏み切る。

  現在のヘルスケア向け材料事業の売上高は約300億円と全体の1%強にとどまるが、利益率は20%と全社平均の9%を上回る。17年4月に設置したヘルスケアマテリアル事業推進室が中心となり、新規事業への参入検討を進めている。

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