新興国市場の救済、中国の能力は限定的-経常収支に注目と野村

  • 外貨準備高は巨額でもかつてほどの余裕なし-1~3月は経常赤字
  • 一貫した経常黒字は今後終わりを告げる可能性-野村の陸挺氏ら

トルコ混乱のような新興国市場を揺るがす事態が再び起きた場合、中国に新興国を救う能力がどれほどあるのか。野村ホールディングスの答えは「かなり限定的」だ。

  野村HDの陸挺氏率いるエコノミストチームによると、中国には約3兆1000億ドル(約345兆円)に上る外貨準備高など緩衝材があり、新興国全般の売りは受けにくいが、かつてほどの余裕はなくなっている。企業のドル建て債務が拡大するタイミングで、四半期ベースの経常収支がより頻繁に赤字を計上するリスク、対中直接投資が鈍化する恐れがあるため中国の能力は限られるという。

  同エコノミストらはリポートで、「中国は安定した通貨と金融システムを実現するため、今後はより慎重に外貨準備と対外債務を管理する必要があるかもしれない」と指摘。「他の新興国を支援する準備高など、苦労して積み上げてきた外貨資産を取り崩す一段の余地はかなり限定的のようだ。人民元の国際化という野心は持っているものの、中国は元建て『パンダ債』市場の拡大には引き続き慎重姿勢だろうとわれわれは考えている」と記した。

  今後注目すべき主な指標は経常収支だと陸氏らは指摘。今年1-3月(第1四半期)は2001年の世界貿易機関(WTO)加盟後で初の赤字に転じた。

  同氏らは「今回の経常赤字は季節的なものである可能性があるが、長期にわたる一貫した黒字計上が今後終わりを告げるかもしれないとわれわれはみている。かつての著しい財の貿易黒字は着実に縮小すると見込む一方、サービスの貿易赤字は一段と拡大しそうだ」と説明した。

原題:China’s Ability to Bail Out Emerging Markets Is Limited: Nomura(抜粋)

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