米金融当局は低失業率を無視してはならない-FRBエコノミスト論文

  • インフレ動向の方により多くの関心を払うのは賢明でない公算
  • 自然失業率を巡る不確実性を踏まえ、講じるべき政策を分析

米金融当局が低失業率を無視し、インフレ動向により多くの関心を払うのは賢明な戦略でない可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが最新の論文でこのような分析を示した。

  クリストファー・アーセグ氏率いるエコノミストはFRBのウェブサイトに23日掲載された論文で、「労働市場の持続的な逼迫(ひっぱく)がインフレ高進や他の不均衡につながって、最終的には、当局の政策上の責務のうち雇用面の展望にリスクをもたす可能性について、適切な政策的配慮が必要だ」と指摘した。

  パウエルFRB議長は24日、カンザスシティー連銀主催のシンポジウムで「変化する経済における金融政策」をテーマに講演する。FRBエコノミストの論文が扱ったのは、経済情勢の変化に伴って変動すると考えられる自然失業率の実際の水準が不確かな場合、金融当局者はどのような金利政策を講じるべきかという本質的な問題だ。

  インフレ率を安定的に保つ理論的な推計値である自然失業率は、物価圧力をコントロールする当局の戦略上、中核となる。金融当局が6月に発表した経済予測では、自然失業率を4.5%と推計していたのに対し、7月の実際の失業率は3.9%に低下した。

  確かに、米金融当局者はこの数年、自分たちの自然失業率の推計を踏まえ、金利設定に際して低失業率の方よりも予想外の低インフレにより配慮してきた。インフレ率が当局目標の2%近辺に回帰したのはつい最近のことだ。

  論文は「自然失業率を巡る不確実性を理由に、多くの研究者は誤計測の可能性がある労働市場のスラック(たるみ)を当局者が無視した方がよいと結論付けてきた」とした上で、「金融政策の実行から効果発揮には時間差が伴うため、インフレ高進が顕在化するまで対応を待つのは望ましくない」と指摘した。

原題:Fed Staff Paper Warns Officials Not to Ignore Low Unemployment(抜粋)

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