豪次期首相にモリソン財務相-決選投票でダットン氏破る

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  • 10年余りで首相が6回交代した豪政治は一段と不安定化か
  • モリソン氏の課題は低迷する支持率の回復-難航が予想される

オーストラリア与党自由党の党首選が24日に再度実施され、財務相のスコット・モリソン氏が決選投票で前内相のピーター・ダットン氏を破った。モリソン氏はマルコム・ターンブル氏の後任として首相に就任する。この10年余りで首相が6回交代した同国政治の不安定さはさらに強まりそうだ。ターンブル氏は21日の党首選で勝利したものの、再党首選になれば出馬しない意向を示していた。

  1回目の投票で外相のジュリー・ビショップ氏は脱落し、決選投票でモリソン氏が45対40でダットン氏に勝利した。ノーラ・マリーノ党院内幹事が記者団に発表した。ビショップ氏の後任の副党首には環境・エネルギー相のジョシュ・フライデンバーグ氏を選出した。

スコット・モリソン氏

撮影: Brendon Thorne/Bloomberg

  モリソン氏の勝利は、自由党内の右派の敗北を意味する。右派は2016年米大統領選でトランプ氏を勝利に導いた政策や、英国の欧州連合(EU)離脱論者らと似た保守的な主張を掲げていた。モリソン氏は党の結束に加え、支持率を回復させ最大野党の労働党との差を縮める必要があるが、難航が見込まれる。労働党は、税やエネルギーなどで一貫性のある政策を打ち出せないターンブル政権への国民の不満を追い風に支持率を伸ばしてきた。

  メルボルンのモナシュ大学のザレ・ガザリアン教授は、「自由党は、有権者に受け入れられる人ということでモリソン氏を選んだ」と指摘。「同党が経験した混乱を考慮すれば、上出来の結果だ」と述べた。

  同国では2007年以来、首相が任期を全うしたことがなく、11年続く政治的混乱がさらに長引く見通しだ。ターンブル首相への退陣要求を巡る今週の政治危機は同国の金融市場を揺るがし、実業界の首脳らが政府に対し、政策の確実性を保証するよう要求する事態となった。

  豪ドルはシドニー時間24日午後0時51分(日本時間午前11時51分)現在、米ドルに対し0.5%高の1米ドル=0.7285豪ドル。豪ドルは23日に1.4%安と、2017年5月以来の大幅下落となった。政治の混乱が豪ドルへの投資家心理を悪化させた。

  モリソン氏(50)はハワード首相の下で11年間続いた自由党政権が終わった07年の選挙で議員に当選。自由党が再び与党に復帰した13年にモリソン氏は移民・国境警備相に指名され、その後15年に財務相に就任した。

  今週の政治混乱を引き起こしたのは、ターンブル首相の政策方向性を巡る自由党内の穏健派と保守派の対立だった。今週、ダットン氏らからの圧力に屈してターンブル首相がエネルギー計画の修正などを余儀なくされたことで、首相の求心力は決定的に低下した。ターンブル氏は保守派からリベラル過ぎるとみられており、党を掌握する能力は常に疑問視されていた。

原題:Morrison Becomes Australia’s New Leader After Turnbull Ousted(抜粋)

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