ふくおかF、十八銀行:来年4月統合、債権譲渡踏まえ公取委承認

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  • 審査難航を受け競合金融機関への顧客借換支援、1000億円弱に達する
  • 経営統合は16年2月に基本合意、時期は17年4月を予定していた

ふくおかフィナンシャルグループ十八銀行は2019年4月に経営統合する。長引いていた公正取引委員会の承認が得られ、2年遅れで実現する。

  公取委は24日、ふくおかFGと十八銀の統合を承認すると発表した。長崎県内の合算シェアが7割超に達することなどを問題視して審査を続けたが、顧客の他行への借り換えを含む問題解消措置によるシェア低下で独占を回避できると判断した。両社は1000億円弱の債権を譲渡、長崎県内の中小企業向け貸出シェアは約75%から65%に落ちる。公取委通知を受けて両社は19年4月1日に統合予定と発表した。

  地方銀行の統合・再編で債権譲渡が必要になった一例になる。長崎地盤の親和銀行を傘下に置くふくおかFGと十八銀は16年2月に統合で基本合意、時期は17年4月を予定した。しかし公取委の審査が難航、時期を17年1月にいったん17年10月に延期、さらに17年7月に未定とした。両社は顧客の借り換え支援や顧客に不利益にならないように金利を監視する仕組みを導入するなど改善策実施を表明した。

  公取委の深町正徳・企業結合課長は記者会見で、県内シェア1、2位の統合だから必ず問題解消措置が必要ということではないと前置きした上で「中小企業の選択肢が十分でなくなるなら、債権譲渡などの措置が必要と考える」と述べた。「金利モニタリングでは不十分で、債権譲渡という構造的な措置が必要と思う。今回のケースは1つの先例になると考えている」と語った。

  今回の統合が認められたことは、地銀の再編機運を後押ししそうだ。両社の統合は23日夕方に報じられており、モルガン・スタンレーMUFG証券は報道が事実なら今後も同域内で高シェアの銀行同士の統合が進むきっかけになると連想され、地銀業界にポジティブとの見方を示していた。24日株価終値は、ふくおかFGが前日比14円(2.4%)高の606円、十八銀は同25円(7.7%)高の350円。

  過去10年の地銀統合審査は15件あったが、例えば17年に承認された第四銀行と北越銀行の統合では、新潟県内10地区の合算シェアが40-60%と今回のケースより大分低い。これについて、ふくおかFGは長崎県は今後、九州地方で最大の人口減少により経営環境の急速な悪化が見込まれる地域であり、金融サービス維持のために「経営統合による効率化が不可欠。とりわけ同一地域内の経営統合は重複店舗の統合などシナジー効果が大きい」などと正当性を主張してきた。

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