「空飛ぶクルマ」の実用化目指し官民協議-ウーバーも参加

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  • 月1回程度会合を開催、年内にも実用化に向けたロードマップ策定
  • 経産省、国交省が実用化に向け国内外企業や団体と協議会を設立

政府は無人で空を飛んでヒトやモノを運搬できる「空飛ぶクルマ」の実用化に向け、民間企業も交えた協議会の初会合を29日に開催する。メーカーや航空会社、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズなど、海外も含めたさまざまな分野の企業を集めて月1回程度会合を開き、年内のロードマップ策定を目指す。

  事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。関係者の一部によると経済産業省と国土交通省が設立するこの協議会の当初のメンバーにはNEC日本航空ANAホールディングスヤマトホールディングスなど、国内勢だけでなく欧州エアバスや米ボーイングなど海外の航空機メーカーも含まれる。

「空飛ぶクルマ」のイメージ

Source: CARTIVATOR

  そのほか、トヨタ自動車やパナソニックなどの支援のもとで空飛ぶクルマを開発する有志団体カーティベーターや投資ファンドなど民間側から計20人程度の代表者や有識者が参加する見通し。国内の企業や団体に限定せず開発で先行するウーバーなども巻き込んで開発を先導し、2020年代の実用化を目指す。従来にない移動手段だけに日本としては官民一体となって開発を急ぐことで規制などの国際的なルール作りで影響力を確保したい考えだ。

  ウーバーの広報担当者は協議会への参加を確認したものの、詳細についてはコメントを控えた。その他の各社と経産省、国交省の広報担当者はコメントを控えた。

  経産省は24日、「空の移動革命に向けた官民協議会」を29日に都内で開催すると正式発表。初回はNECやウーバーなどが空の移動に関する将来像について発表を行うとしている。協議会の狙いとしては日本における新しいサービスとして発展させていくため、社会のルール作りを含めて「官民の歩調をそろえつつ、空飛ぶクルマの実現を促進」していくとした。

  空飛ぶクルマはドローンと飛行機・ヘリコプターの中間に位置付けられる。明確な定義はないが、経産省の資料によると、操縦者なしに垂直離着陸してヒトやモノを運搬できる電動の乗り物のイメージで陸路を走行する機能を持っているとは限らないという。欧米では既に民間企業主導で開発が進んでいるが、国内大手企業は正式には開発計画を表明しておらず出遅れていた。

法整備など必要

  航空経営研究所の橋本邦夫主席研究員は、技術的には空飛ぶクルマは日本メーカーなら製作可能とした上で、実際に運用するには政府主導で安全規格や飛行環境など包括的な法整備が必要だとし、「世界に先駆けて政府が音頭を取って取り組む姿勢は評価できる」と指摘。「将来的には世界標準を巡るグローバル競争になることは必至で、技術開発面ではやや出遅れ気味の日本が「どこまで官民が協調して存在感を示せるのかに注目している」と話した。

  政府は6月に発表した「未来投資2018」で、年内をめどに官民協議会を立ち上げる方針を明記していた。同協議会では技術開発やインフラ、制度の整備、社会の理解度向上などについて議論し、世界に先駆けて次世代移動手段を普及させ新産業の育成を目指す。

  経産省や国交省も来年度に向けて関連予算の要求を検討している。世耕弘成経産相は15日の会見で、空飛ぶクルマについて「都市部の渋滞対策だけでなく災害時の離島や山間地域、観光での活用など多くの可能性が期待されている」と指摘。その上で、「官民協議会を立ち上げ実現を見込む時期、必要な制度改革について議論をする」と話していた。

  ウーバーは「ウーバー・エレベート」と呼ぶ空飛ぶクルマ構想の実現を目指しており、5月には今後5年間で2000万ユーロ(約26億円)を投じパリに研究開発センターを開設する計画を発表している。また、同社によると30日には都内でウーバー・エレベート関連の会議を開催する予定で、東京都の小池百合子知事も出席する。

(経産省の発表内容と外部コメントを追加しました.)
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