みずほFGは海外事業でリスク取る力発揮へ、高採算資産に投資拡大

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  • 17年度は「コンサバティブ」、今年度は考え直す-坂井社長
  • 米国でリスクテ-クに踏み込むのは正しい選択ーアナリスト
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長は、海外の日系および非日系企業を顧客とするグローバルコーポレートカンパニー(GCC)で、新たにリスクの取り方を見直すことで高採算体質確立に向けた改革を推進する。

  坂井社長は21日のインタビューで、事業ポートフォリオの見直しでは昨年度、採算性が低いアセットの削減は計画を達成したが、高採算アセットへの投資は競争や採算の厳しさから「コンサバティブになりがちだった」と分析。その上で、「リスクテイク力の発揮をもう一回考え直して、今年度からやっていきたい」と語った。

  GCCでは2017年度、非日系ビジネスで1900億円、日系で400億円、プロジェクトファイナンスで2400億円の低採算アセットを圧縮したが、高採算アセット投資の遅れから貸出収支が苦戦。18年度は前年度実績を1000億円上回る計4600億円の高採算アセット投下を計画している。

  みずほFGは、地域ごとの経済規模、成長性、市場成熟度を踏まえて選んだ非日系優良企業にフォーカスした「グローバル300」戦略を進めているが、坂井社長は、投資適格級だけでなく非投資適格級でも顧客ニーズがあるとして、ヘルスケアやリテールなどの分野でターゲットを絞って取り組んでいると述べた。

  クレディ・スイス証券の黒田真琴アナリストは、「米国市場でリスクテークに踏み込むのは正しい選択」と評価。みずほFGは「昨年海外ビジネスへの種まきをしており、今年の第1四半期でその成果が現れ始めた」と述べ、顧客部門の利益は力強い復活をしているとの見方を示した。

貿易問題に留意

  坂井氏は、海外での企業の合併・買収(M&A)関連ファイナンスが米国の法人減税決定後「かなり回復して順調に伸びている」ほか、アジアの資金需要も堅調な経済に支えられてしっかり補足できてると述べた。

  ただ、米中貿易摩擦問題でM&A環境が不透明になってきているとし、これまで以上に米中動向に留意する必要があるとの認識を示した。またトルコリラの下落に端を発した金融市場の動揺などで、新興国市場の警戒レベルは上がっているが、いずれもみずほFGのビジネス計画に影響を及ぼすレベルには至っていないという。

  坂井氏は今年4月、約7年間続いた佐藤康博氏の体制を引き継ぎ社長に就任。就任会見では「基礎的収益力低下への対応が課題」と述べていた

(第5段落にアナリストのコメントを追加しました.)
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