Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米金融当局者、リスクに関する議論白熱-9月後の利上げ巡り

  • 追加利上げが近く適切になる可能性が高いとFOMC議事録
  • トランプ大統領の圧力や貿易政策が当局の見通しを複雑化
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米金融当局者らが来月の利上げを準備する中、今後、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標をどこまで引き上げるかを巡る当局者の議論が熱を帯びている。

  当局者らはインフレ率が既に当局目標の2%を若干上回る中で、力強い労働市場と堅調な経済成長を見込んでいる。しかしその一方で、貿易摩擦や財政刺激の漸減に加え、長期の景気拡大局面で低金利が長引く間に高まる傾向がある潜在的な金融不安定化リスクといったマイナス要因も存在する。

  22日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)会合(7月31日-8月1日)の議事録は、「政策緩和をもう一歩解除するのが近く適切になる可能性が高い」とし、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が来月利上げを予定していることについて疑問の余地をほとんど残さなかった。

  元FRBシニアアドバイザーで、現在はUBSセキュリティーズで米国担当チーフエコノミストを務めるセス・カーペンター氏は、「どのくらい利上げをするかについて当局者らが議論しているのは明らかだ」とした上で、「彼らはリスクと、3つか4つの分野の貿易による下振れリスクについて多く語った」と述べた。

  利上げのシグナルはトランプ大統領が注視する中で出された。パウエル議長を指名したトランプ大統領は先月のインタビューで、利上げは「うれしくない」と述べていた。

  9月に0.25ポイントの利上げが行われれば、FF金利誘導目標は2.0-2.25%のレンジとなり、当局者らが推定する中立金利レンジ2.3-3.5%の下限に迫る。中立金利は経済の加速も減速も促さない金利水準を意味する。

  議事録は政治問題には言及しなかったものの、トランプ大統領の政策に起因する下振れリスクを巡る議論が多く交わされたことが示された。当局者全員が貿易問題を「不確実性とリスクの重大な源」とみていた。

一時停止の兆候ほとんど見られず

  
  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミストのマイケル・フェロリ氏は、当局者らが利上げサイクルを一時停止する兆候はほとんど見られないと指摘する。実際、金利誘導目標の「さらなる漸進的な引き上げ」が政策目標と「合致するだろう」との議事録の文章では、引き上げは複数形が使われていた。

  マクロポリシー・パースペクティブスのシニアエコノミスト、ローラ・ロスナー氏は、「議事録から分かることは、彼らが中立金利の推定レンジへと間もなく突入するということだが、いつ利上げを停止するかは明らかでない」とし、「しかし、引き締めに関しては、当局者らは踏み込み不足より行き過ぎの方をより懸念していると思う」と述べた。

  議事録で、「かなり近いうちに」政策スタンスを緩和的と表現するのをやめるのが適切になる可能性があると多くの当局者が指摘していることも、こうした見方を裏付ける。
 

原題:Fed Debate on Risks Intensifies Around Post-September Rate Hikes(抜粋)

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