Photographer: Ali Mohammadi/Bloomberg

米国が「為替操作」する日-通貨の議論不可避とプラザ合意の立役者

  • 「通商協議が通貨の問題を含む傾向が強まる」とダラーラ氏
  • トランプ政権によるドル売り介入の可能性否定できずとJPモルガン

米国が「為替操作国」になる日が来るだろうか。

  そのようなレッテルを貼られるのは、しばしば輸出主導型の新興諸国であり、貿易摩擦の緊張がますます高まる中で、トランプ米大統領はこの表現を使い、中国と欧州連合(EU)を今週けん制したばかりだ。

  とっぴな考えに思えるかもしれないが、一部のウォール街ウオッチャーは、米国の貿易赤字縮小に向けて、トランプ大統領自身が持続的なドル安誘導キャンペーンを開始する可能性も否定できないと考えている。

  国際金融協会(IIF)の前専務理事で、米財務省高官として1985年の「プラザ合意」実現に動いたチャールズ・ダラーラ氏は「通商協議が通貨の問題を含む傾向が強まるだろう。それは避けられない」と語った。プラザ合意では、当時の日米英仏と西ドイツの先進5カ国(G5)が、対外不均衡是正のためのドル高修正で協調した。

  ダラーラ氏が「操作」という言葉をはっきり使うことはなかった。アナリストの間では、自由市場原則の旗手たる米国をそのような言葉と結び付けて語ることにある種ためらいがあり、「為替介入」という言葉を用いる方が好まれる。それはさておき、85年当時のような保護貿易主義および介入主義の色彩の強い政策への転換は、1日5兆1000億ドル(約563兆円)の資金が動く外国為替市場を揺さぶるだけでなく、国際準備通貨としてのドルの地位を損ない、米国資産への需要を減退させる恐れがある。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミストのマイケル・フェロリ氏は今月のリポートで、トランプ政権がドル押し下げのために為替市場に介入する可能性は否定できないとの見解を示し、ドイツ銀行とオッペンハイマーファンズも、ドル売り介入はもはや現実離れした考えではないと主張し、フェロリ氏に同調した。

原題:Trump, a Currency Manipulator? Wall Street Isn’t Ruling It Out.(抜粋)


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