コーエン被告やロシア疑惑が米政権に突きつけるリスク-QuickTake

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ドナルド・トランプ氏および2016年大統領選の同氏陣営への米司法当局の捜査は当初、ロシアが焦点だったが、現在までに国内へと移ってきた。大統領は自分の陣営が選挙への介入でロシアと共謀したという証拠が出ることはないと主張するが、トランプ氏に批判的な論客らは、共謀を裏付ける証拠が既に得られており、共謀疑惑が依然としてモラー特別検察官の捜査の中心だと指摘する。モラー氏の捜査から派生した別個の捜査で、大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告は21日、有罪答弁を行った。これは他の捜査に道を開く可能性がある。

1.トランプ大統領の個人弁護士が捜査の対象になった経緯は

  モラー氏がニューヨークの連邦地検に情報を提供したことがきっかけになり、コーエン被告の捜査が始まった。コーエン被告は10年にわたってトランプ・オーガニゼーションの代理人を務めていた。

ステファニー・クリフォードさん

Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

2.コーエン被告への捜査が大統領への潜在的リスクなのはなぜか

  コーエン被告はトランプ大統領の長年の相談相手であり、目立たない形で問題を解決してきた。また同被告は16年大統領選挙の投票日の2週間前にエッセンシャル・コンサルタンツというペーパーカンパニーを設立し、同社を通じて、ポルノ女優「ストーミー・ダニエルズ」として知られるステファニー・クリフォードさんに口止め料13万ドル(現在のレートで約1400万円)を送金した。その後、ロシアの新興財閥トップでプーチン大統領とつながりがあるビクトル・ベクセリベルク氏の関連企業からの50万ドルなど、計440万ドル余りの資金のやりとりが同社を通じて行われた。

3.コーエン被告は2016年大統領選に関与していたか

  幾つかのインタビューでトランプ氏を手助けしたほかは、主として影のフィクサーとしての役割を担っていた。ただ、16年にひそかにチェコ・プラハを訪問した際、ロシア当局者と個人的に面会したという情報がある。コーエン被告は否定している。

マイケル・コーエン被告

Photographer: Mark Kauzlarich/Bloomberg

4.ロシアの行動で何が分かっているか

  米情報当局は、ロシアのプーチン大統領が「米民主プロセスへの国民の信頼感」を失墜させ、トランプ氏が対立候補のヒラリー・クリントン氏よりも「明確に選好」されることを目指し、個人的に工作を命じたと結論付けた。具体的には米世論に影響を及ぼすことを目的にした電子メールのハッキングと漏えい、偽アカウント使用とフェイスブックやツイッターへの広告掲載だった。モラー氏と同氏のチームはこれまでにロシア人26人などを共同謀議と詐欺罪で訴追した。プーチン大統領は実際、トランプ氏が米ロ関係改善を望むと表明していたため同氏に勝利してもらいたかったと述べているが、両大統領はともに共謀を否定している。

5.トランプ大統領自身は捜査の対象か

  モラー氏は、トランプ大統領がコミー前連邦捜査局(FBI)長官を昨年5月に解任したことや、大統領がコミー氏に対し、元大統領補佐官(国家安全保障担当)のマイケル・フリン被告を大目に見るよう頼んだとされる問題、コミー氏に忠誠を求めたとされることが司法妨害に当たるかどうかに関心があるようだ。またトランプタワーでの長男や娘婿、ロシア人弁護士が出席した会合では主にロシア人の子どもの養子縁組に関して議論したとする声明の作成にトランプ大統領が関与していたかどうかという問題もある。

6.トランプ大統領は刑事訴追されるか

  現職の米大統領が刑事訴追され得るかは明らかでない。司法省の見解は、大統領を刑事訴追すれば、「憲法が定めた責務の遂行能力が容認できないほど阻害される」というものだが、まだ実際に法廷で論じられていない。
  
原題:From Cohen to Collusion, Tallying Trump’s Legal Risks: QuickTake(抜粋)

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