もはやクオンツも安全ではない-リスクパリティーにも動揺が波及

  • リスクパリティーのRVは先週約2年ぶりの高水準に達した
  • リスクパリティーの年初来の運用成績はCTAに次いで2番目に悪い

ウォール街で最も人気の高いクオンツトレードの一つ、「リスクパリティー戦略」は、嵐の中でも安全な港という売り込みにもかかわらず、世界的な市場ボラティリティー(変動率)の高まりで打撃を受けつつある。

  価格変動の影響に着目し、ボラティリティーに応じてエクスポージャー(リスク資産)の配分を調整するリスクパリティー戦略は、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者であるレイ・ダリオ氏が世に広めた。だが、最近の商品相場急落や新興国市場の混乱、国債市場の変化に伴い、リスクパリティー戦略を採用するファンドにも動揺が波及している。

  リスクパリティー戦略の期間2カ月の実現ボラティリティー(RV)は先週、過去2年余り見られなかった高水準に達した。年初から8月10日までの運用成績は、JPモルガン・チェースが追跡調査するポートフォリオの中で2番目に悪い。同行によれば、年初来のリターンはマイナス1.2%と低迷し、ロングショート株式ファンドのプラス2.1%、マクロファンドのプラス1.7%、バランスト・ミューチュアルファンドのプラス2.9%を下回っている。

  トレンドを読んでさまざまな資産クラスに投資を行うコモディティー・トレーディング・アドバイザー(CTA)のリターンがマイナス4.8%で最も悪かった。
  
  リスクパリティー戦略は、逆方向に動く傾向にある資産を保有することで損失の軽減を目指し、リスクを均等化するために複数の資産クラスに投資配分を行う。しかし、貿易摩擦や新興国市場資産の極端な価格変動の影響で、今年これまでは安全な逃避先を見いだすのが難しい状況となっている。

  セイリアント・パートナーズのクオンツ戦略担当マネジングディレクター、ロベルト・クローチェ氏は「リスクパリティーは真ん中にいることを狙い、投資配分の分散を目指す。運用成績トップには決してならないが、最下位にもならないだろう」と指摘した。

原題:No Quant Is Safe as Global Stress Hits Risk-Parity Investing(抜粋)

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