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日本株は上昇、米S&P500種最高値でリスク選好

更新日時
  • S&P500種株価指数は7カ月ぶりに日中最高値更新、円高は一服
  • 米国の自動車輸入制限の工程遅れとの報道、NAFTA合意観測も

22日の東京株式相場は上昇。米国でS&P500種株価指数が取引時間ベースの最高値を更新して投資家のリスク許容度がやや改善、自動車など輸出関連、鉄鋼や非鉄金属などの素材、商社など海外景気敏感業種中心に割安な株価を見直す動きが強まった。

  TOPIXの終値は前日比12.95ポイント(0.8%)高の1698.37と3日ぶり反発、日経平均株価は142円82銭(0.6%)高の2万2362円55銭と続伸。

東証玄関前

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェローは「日本株は世界景気敏感株とあって、米中貿易戦争による景気減速懸念によってバリュエーションを無視して売られてきたが、中小型株が下げ止まるなど懸念はある程度株価に織り込まれた感がある。大型株中心にPERが13倍割れなど相当安くなり、ここからは売り込みづらい」との見方を示した。

  21日の米国株市場ではトランプ政権が中国との貿易摩擦の緩和に向けて動くとの見方が広がり、S&P500種株価指数が一時0.6%高の2873.23と7カ月ぶりに取引時間中の最高値を更新した。米フィラデルフィア半導体株指数は2.0%上昇。きょうの為替市場でドル・円相場は一時110円50銭と、前日の日本株終値時点の110円07銭から円高が一服した。

  通商問題に関しては、ロス米商務長官が自動車輸入制限に関する工程表に遅れが生じる可能性があると発言したとダウ・ジョーンズが報道。また、米国とメキシコは新たな北米自由貿易協定(NAFTA)でコンセンサスに近づいたことが明らかになり、日本株は午後に上げ幅を広げた。貿易問題に関する報道が相次ぎ、「トランプ米大統領が一歩引いた形で米国第一主義への警戒が緩和するのではないかとの期待が高まった」と、サクソバンク証券の倉持宏朗チーフマーケットアナリストはみていた。

  もっとも、東証1部売買代金は2兆円に届かず、買い戻し主導の色彩が強かった。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「米国と中国との追加関税競争は中国の方が打撃が大きく、中国などアジア株やエマージング株から米国株などドル資産に資金が向かいやすい」とした上で、「投資資金が米国一極集中となる中、グローバル市場では日本株は欧州株と同様に中間的な位置付けで、エマージング株に比べると買い戻しなど短期売買の対象となりやすい」という。グローバルの政治・貿易政策が良い方向に行かない限り、「もみ合い相場を大きく抜けきれない」と同氏はみている。

  • 東証1部売買高は11億2133万株、売買代金は1兆9849億円
  • 値上がり銘柄数は1564、値下がりは475
  • 東証33業種では石油・石炭製品、ガラス・土石製品、輸送用機器、鉄鋼、非鉄金属、機械、卸売など28業種が上昇、パルプ・紙、陸運、情報・通信など5業種は下落
  • 売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を引き上げたスズキ、自社株買いのマネックスグループのほか、米半導体株高を受けて東京エレクトロンやSUMCOなど半導体関連が高い
  • 不適切融資は1兆円規模と報道されたスルガ銀行がストップ安、KDDIやNTTなど通信株の一角は続落
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