債券投資家、ECBもう頼れず-借り手企業の固有リスクに覚醒

  • ECBのおかげで社債相場はこれまでほぼ銘柄を問わず上昇
  • 「イディオシンクラティック(固有)リスクは戻ってくる」

欧州中央銀行(ECB)が債券市場への支援を引き揚げようとしている今、債券投資家はこれまでと比べはるかに借り手企業に注意を払っている。

  イタリアの橋崩落やトルコ危機が最近、関連のある企業の社債を値下がりさせた。米国の裁判で浮上したモンサント買収後の訴訟リスクで、ドイツの医薬品メーカー、バイエルの社債価格は急落。これまでは、ECBの大規模購入のおかげで社債相場はほぼ銘柄を問わず上昇してきた。各発行体に固有のリスクに関する懸念が強まったことで、低格付け債に求められる利回り上乗せ幅も拡大した。

  シティグループのマット・キング、クリストファー・チャップマン両アナリストはリポートで、「個別企業に関わる事件が数カ月分のキャリーを一瞬のうちに吹き飛ばし得ることがあらためて意識された」と指摘した。ボラティリティー上昇と低リターンに直面する市場に難題がさらに増える。

  イタリアの有料道路運営会社オートストレードが具体例だ。ジェノバでの橋崩落とイタリアの政治不安のおかげで、何年間も値動きのなかった同社債は大きく値下がり。バイエルは農薬部門モンサントが除草剤を巡る巨額賠償金支払いを命じられ、社債が売られた。ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)とウニクレディトはトルコ資産売りの巻き添えになった。

  ハーミーズ・インベストメント・マネジメントの投資責任者エオイン・マレー氏は「最近の数年間は中銀の巨大な流動性パンチボールのおかげ」でシステミックリスクが主役だったが、「イディオシンクラティック(固有)リスクは戻ってくる」と話した。

原題:‘Stuff Happens’: Nasty Reminder for Bondholders as ECB Eyes Exit(抜粋)

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