銀行支店の顧客係行員がいなくならない理由

銀行に行くと行員が「いらっしゃいませ」と迎えてくれるが、HSBCのニューヨーク支店にはヒト型ロポット、ペッパーもいる。

  HSBCホールディングスは近い将来に銀行の支店から顧客係の行員がいなくなることを想定しているのだろうか。同行の米リテールバンキング、ウェルスマネジメント責任者パブロ・サンチェス氏によると、そうではない。

HSBC支店外のペッパー

出典:HSBC

  ペッパーの仕事はマンハッタンの5番街にあるHSBCの米旗艦店に顧客を呼び込むことだという。そして一緒に写真に収まり、簡単な質問に答える。本当に助けが必要な顧客は、適切な人間の行員のところへ連れていく。

  銀行の支店で働く行員数は急激に減っている。米労働統計局はこうした職が2026年までの10年間に4万人以上減ると予測している。需要が減るのだから賃金は下がりそうなものだが、実はそうではない。

  その理由を知るには、米ゴールドマン・サックス・グループが個人向けオンライン銀行を開設する際に行った調査がヒントになりそうだ。

Branch Network Makeovers

Change in branches at big banks from 2012 to 2017

Source: FDIC data on bank units

サンタンデールのソファ

出典:サンタンデール

  顧客の反応についての調査で、人々は知りたいことの答えが見つからないと、直ちにちゃんとした銀行員に対応してもらいたがることが分かった。最初はセルフサービスで答えを見つけようとして忍耐強く操作をする。ところがそれがうまく行かないとたちまちせっかちになる。全米で支店の見直しをしているどの銀行でも、この調査結果の正しさが繰り返し証明されているようだ。

  そういうわけで、昨年12月の減税で懐が豊かになった銀行の一部は、顧客係行員の時給を15ドル(約1650円)に引き上げた。従来は平均13.5ドル。

  銀行の支店とそこで働く顧客係行員は、なくなりはしない。むしろ、決まりきったサービスは携帯電話で済むので、行員にはローンを売り込んだり地元起業家を指導したり、テクニカルサポートを提供したりといった別の仕事が求められる。

  「昔は残高を教えたり現金を手渡したりするだけだったが、今ではペイパルやベンモがうまく使えない、ウーバーがクレジットカードを受け付けてくれないなどと言う顧客のために問題を解決してあげなければならない」と、オーシャンファースト・ファイナンシャルの最高経営責任者(CEO)、クリストファー・マハー氏が話した。給料を上げてもらわなければ割に合わない。

原題:Why Banks Are Giving Tellers Raises, Instead of Firing Them All(抜粋)

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