Photographer: Christopher Dilts/Bloomberg

JPモルガン、ここまできたAI活用-36万時間削減は序の口か

  • デジタル投資銀の新たな責任者は年内に最大30人の増員を目指す
  • ウォール街の長年の慣行を一新するために先進テクノロジーを応用
Photographer: Christopher Dilts/Bloomberg

米銀JPモルガン・チェースのヒュー・リチャーズ氏は、伝統的スタイルの債券市場バンカーだが、先進的な役職が新たに割り当てられた。

ヒュー・リチャーズ氏

写真家:Jake Chessum、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー

  デジタル投資銀行の責任者のポストに今年5月に異動したリチャーズ氏は、チームの編成に動き、人員を年内に20-30人増やすことを目指している。ディールメーカーの競争力を高める手段として、先進テクノロジーを活用する方法を探るのが彼らの任務だ。

  リチャーズ氏によれば、これからは株式・債券引き受け業務の重要な部分を機械が支援することになる見通し。法人顧客が債券市場で資金を調達する最善のタイミングを正確に特定するため、データマイニングや予測分析の手法を用いることもその一例といえよう。

  リチャーズ氏は、企業の合併・買収(M&A)のような複雑な取引の実行にテクノロジーが劇的な影響を与えるとは考えていない。だが機械は少なくとも、バンカーがディールのチャンスを見つけ、分析し、それを顧客に提示する手助けをすることが可能だ。

  デジタル投資銀は、ウォール街の長年の慣行を一新するために先進テクノロジーを応用するJPモルガンのより大掛かりな取り組みの一環だ。2016年までに同行は商業融資契約の解析にマシンラーニング(機械学習)を用いる手法を確立し、法律専門家や融資担当者の年間作業時間を36万時間減らすことに成功した。

  今年は譲渡性預金(CD)の発行で仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)も試験的に活用した。さらにアマゾンの人工知能(AI)「アレクサ」を使い、アナリストリサーチへの顧客のアクセスを助ける。

  リチャーズ氏はインタビューで、「JPモルガンの情報を顧客が常に利用できるようにしたいとわれわれは考えている」と語った。

原題:Inside JPMorgan, a Bond Vet Builds a Team to Digitize Dealmaking(抜粋)

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