Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

トルコ情勢より貿易戦争を深刻視-アジア新興国資産への投資家

  • ドル高や中国の成長減速への対応なども重要な要素
  • 貿易戦争や制裁、選挙を巡るリスク残る-アムンディ
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

トルコは忘れていいが、貿易戦争は依然としてアジアの新興国の通貨や債券に重要な要素だと投資家らは話す。

  今週はトルコ・リラの急落がアジア市場の動揺を誘発したかもしれないが、ポートフォリオマネジャーらは域内の中長期的見通しを考える上で今回の騒動をそれほど重視していない。マネジャーらはむしろ、回復の途上には幾つもの障害があるとして、米中両国の通商協議が次官級で再開する見込みでも、両国の長引く対立が最大の障害だと受け止めている。

  オッペンハイマーファンズのクリシュナ・メマニ最高投資責任者(CIO)は、「新興国市場の債券資産に対する最大のリスクは引き続き本格的な貿易摩擦であり、それが少なくとも短期的にはドルを上昇させる」と予想した。「そうした安全資産への資金フローが全ての新興国資産にとって壊滅的な影響を与えかねない」と付け加えた。

  中国政府による景気減速への対応や米金融引き締めによるドル高、中間選挙を控えた米国で保護主義が高まる可能性もアジア市場を動かす要因だが、トルコ情勢が緊迫するまでは落ち付きを見せていた。トルコ・リラが13日に最安値に急落した後、波及懸念からアジアの債券・通貨は今週急落。リラはトルコの銀行当局が打ち出した一連の措置を受けて下げ幅を縮小したが、ブルームバーグがまとめた新興国国債の指標は1年5カ月ぶりの安値付近にとどまり、MSCI新興市場通貨指数は、1年余りぶりの安値付近にある。

  リラが落ち着きを取り戻そうとする中、投資家は新興国資産の回復を遅らせかねない他のリスクに注目している。欧州最大の資産運用会社アムンディは、アジア新興国へのエクスポージャーを最近増やした後、注視している要素の1つとして貿易戦争を挙げた。同社の新興国債券担当シニアマネジャー、エスター・ロー氏は「新興国市場全体が危機を脱したと言うのは時期尚早だ」と述べ、「貿易戦争や制裁、選挙リスク全般に関してまだ多くのヘッドラインリスクが残る。このため短期的には、新興国の通貨と国債に警戒感が続く公算が大きい」と予想した。

原題:Trade Trumps Turkey for Emerging Asia as Funds Ignore Tumult (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE