ドル・円は小幅安、米中貿易協議進展への懐疑で上値重い-110円後半

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  • 朝方に111円台に乗せた後は伸び悩み、午後には110円76銭まで軟化
  • クロス円戻っても重く、ドル・円も112円届かない-三菱UFJ信託

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅安。米中通商協議の再開やトルコリラの反発でリスクセンチメントはやや改善したものの、いずれも問題の根本的解決には至っていないとの見方から上値の重い展開となった。

  17日午後3時35分現在のドル・円は前日比0.1%安の1ドル=110円77銭。朝方に111円05銭まで強含んだ後は伸び悩み、午後には110円76銭まで軟化した。前日の東京市場では米中通商協議再開の報道を受けて110円台半ばから110円台後半まで反発し、海外時間には米国株の上昇を背景に一時111円12銭までドル高・円安が進んだ。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替課の池島俊太郎課長は、トルコは来週休場ということもあり、いったんは他の金融市場への波及を懸念する動きが落ち着きそうだが、根本解決には利上げや緊縮財政が必要で、米中通商協議も「結果が保証されているわけではない」と指摘。そうした中で「短期的なリスク回避の巻き戻しでクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)などが戻っても、基本的には重く、ドル・円も112円は届かないという感じになりそう」と話した。

  トランプ米大統領は16日、中国との協議について、「彼らは受け入れ可能な取り決めをわれわれに提示できていない。米国にとって公正な取り決めを得られるまで、われわれはどんな取引も行うつもりはない」と言明した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米中通商協議は8月22、23日に行われる予定。

  静岡銀行NY支店マーケット担当の吉田真康氏は、「米中協議再開が多少ポジティブに捉えられているが、協議したところで今のところ妥協点は見えず、市場にとってそれほどフェーバーな材料が出てくるとは想像できない」と指摘。夏休みモードが続き薄商いの中、ヘッドラインに振らされやすいが、「出てくるネタはネガティブなものの方が大きい気がするので、どちらかというと円高の方向に行きやすい」との見方を示した。

  トルコのアルバイラク財務相は16日、投資家との電話会議で、資本規制を講じる可能性を排除し、インフレの抑制と経常赤字の縮小が政策の優先事項だと述べた。リラは会見後に大幅上昇したが、その後、ムニューシン米財務長官がトルコが拘束している米国人牧師の即時釈放を拒否するのであれば、米国は追加制裁で応じる用意があると表明したことで、上昇分の大半を失った。

  S&Pは17日にトルコの格付け判断を示す。同社は5月に経常収支の悪化や財政赤字、高インフレなどマクロ経済の不均衡を理由に、トルコのソブリン格付けを「BBマイナス/B」に引き下げている。外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、格付け見通しなどが引き下げられた場合、実際の影響はともかく「心理的にユーロなどに影響する可能性はある」と話した。

  トルコ・リラ急落が欧州金融機関の経営に及ぼす影響への懸念などで、ユーロは今週、対ドルで一時1ユーロ=1.1301ドルと昨年6月以来の安値を付けた。17日の東京市場のユーロ・ドル相場は1.13ドル台後半で小動き。ユーロ・円相場は1ユーロ=126円台前半でもみ合った。

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