【日本株週間展望】反発、米中貿易問題の改善期待-堅調な米景気確認

  • 22、23日に米中通商協議の可能性、対話継続なら短期小康状態に
  • 米住宅指標は改善予想、新興国通貨や欧州経済は重しの公算

8月4週(20ー24日)の日本株相場は4週ぶりに反発しそうだ。米国と中国の貿易交渉を巡る緊張が高まらないとの見方から、株価水準が低い日本株に見直し買いが入る可能性がある。

  中国は米国との通商協議のために王受文商務次官を米国に派遣すると発表。米紙ウォールストリート・ジャーナルは米中通商協議が8月22、23日に予定されていると報じた。米国は中国からの輸入品2000億ドル相当を対象とする追加関税に関して20ー23日に公聴会を開催するほか、23日からは160億ドル相当に25%の追加関税を適用する。通商交渉の行方は不透明で予断を許さないものの、追加の悪材料が浮上せず協議決裂に至らなければ、貿易摩擦はいったん小康状態となり行き過ぎた悲観は後退する。

街中の株価ボード前

Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  米国では22日に7月の中古住宅販売件数、23日は新築住宅販売件数、24日は耐久財受注の発表が予定されている。ブルームバーグによるエコノミスト予想では中古住宅が前月比1.3%増(前回0.6%減)、新築住宅が3%増(同5.3%減)が見込まれている。米長期金利は6月以降3%を下回る水準で安定推移、金利敏感セクターに悪影響を与える状況ではないため、米景気の底堅さが確認されれば、業績が堅調ながら3週連続で株価が下落している日本株は見直されやすい。

  一方、トルコリラはいったん上昇に反転したものの、新興国通貨や欧州経済に対する不透明感は上値の重しとなる。こうした中で23日に発表されるマークイットユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)は55.2(前回55.1)とほぼ横ばいが見込まれており、欧州の景況感が持ち直すのか注目される。23日からは米ジャクソンホールでカンザスシティー連銀が主催する年次シンポジウムが開催され、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が24日に講演する。第3週の日経平均株価は週間で0.1%安の2万2270円38銭。

≪市場関係者の見方≫
三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミスト
  「堅調な展開を予想している。目立った経済指標に乏しい中で、米中通商交渉に注目が集まる。市場では北戴河会議の後に開催される今回の交渉で、中国が強硬路線を見直して対話路線に向かうのではとの期待がある。トランプ米大統領は予備選挙が増える中で対外政策で仕掛けてくる可能性が高く、簡単に事態は好転しにくいが、一時的に収束期待が出てくるかもしれない。米欧のマークイットPMIで8月の数字が改善しているのかチェックしたい。米国以外の景況感が悪化に向かう中で米中協議が収束に向かわなければ、来年にかけて世界的に景気が減速しリスクオフに舵を切ることになりかねない」

大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  「米中が次官クラスとはいえテーブルに着いて協議することは、貿易摩擦解消に向けた前進だ。中国がエネルギーや農産品の輸入拡大が可能とし、一定の落としどころを見いだすことができるだろう。注目される中国製品2000億ドルへの追加関税に関する米公聴会は、小売り業界などを中心に反対意見が多いとみられ、関税賦課が難しくなり景気懸念が弱まるだろう。パウエルFRB議長が週末にジャクソンホールでのシンポジウムで利上げ継続の方針を説明する見通しで、為替相場はドル安に振れにくい。ドル・円相場が現水準で安定推移すれば、上期決算発表時の通期業績計画の上方修正期待が高まる。貿易問題への懸念緩和と業績期待で来月にかけて堅調な相場展開が続きそう」

アバディーン・スタンダード・インベストメンツの窪田慶太インベストメント・マネジャー
  「神経質な相場となりそうだ。経済指標よりも米中交渉に振らされそうで、交渉がどちらに転ぶか判断するのが難しい。既に発表されている関税などの影響で中国の消費や設備投資が弱含み、日本企業も影響を受けているだけに、間接的な影響がさらに悪くなるかを見極める状況。一方、日本の企業業績は総じて悪くない。日本にとって直接的な影響が大きくないトルコ懸念で株価が大きく下げたこともあり、内需関連のほか、外需関連でも中国エクスポージャーが少ない銘柄は中長期スタンスで拾っても良い水準まで株価が調整しつつある」

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