インバウンド関連株に売り、訪日外客数の予想外に早い鈍化を嫌気

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  • 7月の訪日外客数で中国は12.6%増、8月以降の警戒も根強い
  • コーセーやファンケルなど化粧品安く、良品計画やピジョンも下落

中国人を中心とした訪日外客数の伸びに足元でやや陰りが見え始めている。国内消費が伸び悩む中で、訪日客数の増加が業績の成長につながるとして期待値が高いだけに、株価の反応も大きくなりがちだ。

  16日の東京株市場では、化粧品や雑貨、美容など外国人客による商品購入やサービス利用が業績に貢献しているインバウンド関連に朝方から幅広く売りが増加。人民元安傾向に歯止めがかかっていないこともあり、午後の戻りも限定的だった。終値では資生堂が5.4%安の7135円と3カ月ぶり安値、良品計画が3.1%安の3万3250円となったほか、東証1部値下がり率上位には美容健康機器のヤーマン(10%安)、化粧品のファンケル(9.8%安)やコーセー(8.1%安)、育児用品のピジョン、成田・羽田で免税店などを手掛ける日本空港ビルデングなども並んだ。

浅草雷門前の訪日観光客

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日本政府観光局が15日発表した資料によると、7月の訪日外客数は5.6%増と2桁以上が常態化していた伸び率が1桁台へ低下。このうち中国は12.6%増と、6月の29.6%増から伸び率が落ち込んだ。観光局では6月の大阪府北部の地震や7月の豪雨の影響から訪日需要が抑えられたことが影響したとしている。

  ジェフリーズの宮迫光子アナリストは、8月からの鈍化を予想していたものの、訪日人数が2番目に多く、化粧品・トイレタリーで最も購入金額の大きい中国人訪日客数の7月の数字は「ネガティブな印象」と指摘。今後も8月からのハードルの高さに加えて元安影響などネガティブな要素があるとして、8月の訪日数の発表日である9月19日まで「化粧品セクターは株価が上昇しにくい、短期的にさらに調整リスクはある」との見方を示した。

  また、この日はビックカメラやマツモトキヨシホールディングスなどインバウンドが追い風となっている小売株も安かった。野村証券の成清康介アナリストは小売業界リポートで、7月の訪日外国人客数の伸び急減速は災害などの一過性要因を含むと前置きしながらも、「人民元安が長引けば買い物目的の中国人観光客が日本から韓国へシフトするリスクが高まっており、インバウンド売り上げの成長性は不透明感が強まっている」と指摘した。

中国の訪日外客数の推移

(株価を更新し、最終段落にアナリスト見解を追記します.)
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