トルコ産鉄鋼の魅力増す、関税で米市場から締め出されても需要旺盛

  • 中国が鉄鋼輸出を減らし工場閉鎖する中、世界の需要は力強い
  • トルコ産鉄鋼の対米輸出は大幅減少でも対イタリア、スペイン増える

トルコ産鉄鋼はトランプ米大統領が鉄鋼関税率を2倍に引き上げたため、米市場からほぼ締め出された。このためトルコの鉄鋼は他の国へと向かうが、同国にとって朗報がある。世界の鉄鋼需要は旺盛である上、トルコ産鉄鋼がこれまでになく魅力的となっている。

  中国が輸出を減らし、大気汚染源となっている工場を閉鎖していることも鉄鋼需要を押し上げている。ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、クリスチャン・ジョルジュ氏は先月のリポートで、世界最大の鉄鋼生産国である中国でさえも、今年の冬に工場閉鎖を増やせば鉄鋼不足に陥る恐れがあると指摘した。

Steel Demand Grows Faster Than Expected

Source: ArcelorMittal

Footnote: Data based on top-end of forecast ranges

  ジェフリーズ・インターナショナルのアナリスト、セス・ローゼンフェルド氏は、「世界の鉄鋼需要は極めて力強いので、トルコのボラティリティーを相殺する緩和要因の働きをする可能性がある。締め出された鉄鋼をほかで吸収するのに十分な需要がある」と分析した。

  トルコの鉄鋼輸出は今年に入って大きく伸びている。鉄鋼生産世界6位の同国の今年1-7月の輸出額は84億ドル(約9300億円)と、前年同期比27%増加した。通年でも昨年の115億ドルを優に上回る見通しだ。

  トルコ産鉄鋼の昨年の輸出先1位は米国で、2、3位はイスラエルとイタリアだった。しかし米鉄鋼関税が響き、今年1-5月の対米輸出額は約50万トンと、昨年の半分未満に減少。イタリアとスペインへの輸出が増えた。

  トルコの最近の混乱は同国の鉄鋼メーカーへの追い風となっている。トルコ・リラ相場は年初の3分の1近くまで下落し、トルコ産鉄鋼価格は大幅に割安となった。

  ローゼンフェルド氏は、「欧州にはセーフガード措置があるため輸入急増を十分阻止できる見込みだが、輸入枠内でトルコやインド、中国、ロシアなどさまざまな国が争い得る」とした上で、「現在の為替相場の追い風により、価格競争力が増すトルコがシェアを拡大できそうだ」と述べた。

原題:Trump May Spurn Turkish Steel But Others Will See Its Attraction(抜粋)

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