債券下落、米中通商協議の進展期待でリスク回避緩和-5年入札も重し

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  • 新発5年債利回りマイナス0.075%、長期金利0.10%にそれぞれ上昇
  • 長期金利0.1%割れを積極的に買う地合いでもないー三菱UFJ信託

債券相場は下落。米国と中国間の通商協議が進展するとの期待を背景にリスク回避の動きが緩和したことや、この日に実施された5年利付国債入札が弱めの結果となったことで、売り圧力が掛かった。

  16日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から横ばいの0.09%で寄り付いた。中国の通商次官が月内に訪米する予定だと伝わると、日経平均株価の下げ幅縮小に伴い先物主導でいったん0.5ベーシスポイント(bp)高い0.095%まで上昇。午後には0.10%まで水準を切り上げた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「米中関係が劇的に改善するとは思えないものの、緊張関係緩和のきっかけにはなる可能性がある。株安と円高が巻き戻されるとともに円債もつられて売りが優勢になった」と指摘。「長期金利0.1%割れを積極的に買っていくような地合いでもないので、利食い売りなどのきっかけにもなった」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、株安・債券高となった海外市場の流れを引き継ぎ、前日比2銭高の150円42銭で取引を開始し、いったん150円49銭まで上昇した。その後は下げに転じて午後には一時150円30銭まで下げ、結局は7銭安の150円33銭で引けた。

  中国政府は16日、王受文商務次官が月内に通商協議のため訪米すると発表。2カ月間途絶えていた米中通商協議の再開に期待が広がり、中国人民元は対ドルで上昇した。

米中通商協議に関する記事はこちらをご覧下さい。

  この日の日経平均株価は前日終値からの下げ幅が一時300円を超えていたが、中国関連の報道を受けて値を戻してプラス圏に浮上する場面もあった。結局は0.1%安の2万2192円04銭で引けた。外国為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=110円46銭まで円高が進んでいたが、110円台後半で推移している。

5年債入札

  財務省はこの日に実施した5年利付国債入札の結果は、最低落札価格が100円85銭と、ブルームバーグがまとめた予想中央値と一致した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.95倍と、前回の4.87倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と、前回と同水準だった。新発5年物136回債利回りは1bp高いマイナス0.075%と、3営業日ぶりの高水準を付けた。

  三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、5年債入札について、「応札倍率がやや弱めだったが、価格自体は予想通りで、無難な結果だった。マーケットを動かす材料にはならなかった」としている。

過去の5年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債ー0.120%横ばい
5年債ー0.075%+1.0bp
10年債 0.100%+1.0bp
20年債 0.615%+0.5bp
30年債 0.850%+1.0bp
40年債 0.985%横ばい
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