不格好な「ダッドシューズ」がスニーカー業界席巻-高級品人気高まる

  • 「ルイ・ヴィトン」など高級ブランド進出、トレンドの変化は激しく
  • アディダスやプーマなどの運動靴メーカーは時流に乗ろうと対応急ぐ

フットウエア業界では、お父さんが履くようなちょっと不格好で見栄えの悪い「ダッドシューズ」が最もホットなトレンドとなっており、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」や「バレンシアガ」の最近のショーにも登場した。そうしたトレンドは、移り変わりの激しい高級ファッション界に不慣れなスニーカーメーカーにとって、大きなチャレンジを意味している。

  最近まで、アディダスプーマなどの企業は「アディダス・スタンスミス」や「プーマ・クライド」といったシンプルでレトロなスニーカーモデルの安定した売り上げを当てにできた。ところが買い手の関心は、1000ドル(約11万円)のヴィトン「LVアークライト」や800ドルのバレンシアガ「トリプルS」などのダッドシューズタイプのスニーカーに向かう傾向が次第に高まっている。

アディダスの「ヤング1」

出典:Adidas AG

  スニーカーメーカー各社は大急ぎで流れに乗ろうとしている。アディダスは昨年、ラッパーでデザイナーのカニエ・ウエスト氏とコラボした高級ブランド「イージー」コレクションの一角として、ダッドシューズモデルを打ち出した。同社のそうしたモデルとしては他に、1990年代のランニングシューズのカートゥーン版のような見かけで、分厚いソールを備え、派手な色使いの「ヤング1」もある。

  フィラの「ディスラプター」コレクションやスケッチャーズUSAの「ディライト」シリーズなど、ニッチなブランドもこの流れに加わっている。

  プーマのビヨン・グルデン最高経営責任者(CEO)は、「特にフットウエアにおける製品トレンドと顧客需要の大きなシフト」に驚かされたとコメント。同社は「サンダースペクトラ」シリーズを4月に発売するなど、一部のダッドシューズモデルの発売を前倒しした。

  ソーシャルメディアとハイエンドなストリートウエア人気を追い風に、スニーカーは高級品市場で最も急成長を遂げる部門の一つとなった。米コンサルティング会社ベインによれば、2017年の販売は10%増。NPDのデータで、昨年の米国での伝統的なスポーツシューズの販売が2%の伸びにとどまったのとは対照的だ。

  靴メーカーにとって問題は、消費者が次の流行を追い求める中で、今シーズンのベストセラー商品が半年もすればクローゼットの奥で眠ることになりかねないことだ。

  アディダスのカスパー・ローステッドCEOは今月の決算発表時に、ファッション業界は「ライフサイクルの変化のスピードがずっと速い」と指摘。「そこがチャレンジであり、好機でもある。トレンドを見極められるか、通常よりずっと速いペースでそうした靴を作り、うまく時流に乗れるかどうかだ」と述べた。

原題:The Clunky, Ugly Dad Shoe Gives Sneaker Makers a Swift Kick (1)(抜粋)

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