ドル上昇、トルコ懸念や中国株安で買い優勢-対円でも1週ぶり高値

更新日時
  • 豪ドルや欧州通貨は対ドルで年初来安値を更新
  • 人民元は昨年5月以来の1ドル=6.9元台へ下落

東京外国為替市場ではドルが上昇。トルコ懸念や中国株安を背景にしたドル買いが通貨全般に対して広がった。オーストラリアドル、ユーロ、英国ポンド、中国人民元などに対して昨年以来の高値を付けたほか、対円でも一時1週間ぶりの高値を付けた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は一時0.2%上昇。ドル・円は15日午後4時14分現在、前日比0.1%高の1ドル=111円29銭で推移している。米国株や米長期金利の上昇を背景にドル買いが進んだ海外市場の流れを引き継いで始まり、五・十日(ごとおび)のドル買い需要も追い風に、一時111円43銭まで上昇した。その後はドル買いとクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)での円買いに挟まれ、111円台前半でもみ合った。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、トルコについて「対米関係や緊急利上げといった方策を大統領が嫌がっている以上、問題は長引く可能性がある」と指摘。「ドル・円は下げからの戻りという点では、だいぶいいところまで来たと思う。相場環境としてのリスクオフというのが変わらない中で、ドル高の一方でクロス円が重いということで目先は動きづらい状況が続きそう」と話した。

  トルコ政府は15日、自動車やコメ、酒類などの米国からの輸入品に追加関税を課すと発表した。米政権が過去数週間に発動した対トルコ制裁への報復措置を取った。14日にはエルドアン大統領が米国製の電子機器のボイコットを呼び掛けていた。

  トルコ通貨危機による欧州金融機関への影響が懸念される中、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.1317ドルと2017年7月以来の安値を更新。ポンド・ドルは同6月以来初めて1ポンド=1.2700ドルを割り込んだ。一方、豪ドルは中国株安などを背景に対ドルで同1月以来の水準となる1豪ドル=0.7203ドルまで下落、人民元は同5月以来となる1ドル=6.9元台までドル高・元安が進んだ。

  FXプライムbyGMOの上田眞理人常務取締役は、「ユーロは引き続きトルコへのエクスポージャーが心配されているし、EU(欧州連合)内部の問題もブレグジットなど先が見えないので買いにくい」とし、「結局ドルの一人勝ちというところに戻ってきた」と話した。

  トルコリラは対ドルで13日に最安値となる1ドル=7.2362リラを付けた後は反発基調を強めている。15日アジア時間の取引では一時6.5771リラまで弱含む場面も見られたが、欧州時間に向けては一時5リラ台へ上昇している。

  上田氏は、トルコを巡る情勢は何も変わっておらず、トルコ・リラの反発は売られすぎた後の買い戻しにすぎないと指摘。米中などの貿易問題も何一つ解決していない状況で、市場の懸念が再燃すればクロス円が下がるというパターンで円が買われるが、ドルを売ることにはならないとし、「対何でドルを買うかという問題になっているだけ」と語った。

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