米金融当局のバランスシート縮小、年内停止の可能性も-ポズサー氏

  • 米財政赤字ファイナンスのためのTB発行急増が短期金利押し上げ
  • 実効FF金利を目標レンジ内に維持する上で金融当局は課題に直面

クレディ・スイス・グループのアナリスト、ゾルタン・ポズサー氏は米連邦準備制度が進めているバランスシートの縮小について、連邦政府債務残高の増大を背景に、年内に停止する必要に迫られる可能性があるとの考えを示した。

  米財務省アドバイザーを務めた経歴を持つポズサー氏は13日のリポートで、連邦準備制度の銀行準備の削減に伴い、米金融当局は翌日物レポの仕組みを作動させるか、市場参加者の多くが予想するよりも早期にバランスシート縮小を停止するか、近いうちにいずれかを選択しなければならないだろうと記した。

  ポズサー氏はその上で、金融当局が代替策を使い尽くすまで新たな仕組みを選択する公算は小さく、バランスシート縮小の早期停止の可能性が最も大きいとの見方を示唆した。ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のアナリストは先月、2019年にもバランスシート縮小停止の可能性があると予想。ゴールドマン・サックスのストラテジストは5月に、20年4月ごろの停止を想定していることを明らかにした。

  米金融当局は現在、金融政策の正常化を進める上で、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の実効レートをどのようにFF金利の誘導目標レンジ内に維持するかを巡って課題に着面している。財政赤字ファイナンスのために米財務省短期証券(TB)の発行が急増し、実効FF金利を含む短期金利全般が押し上げられていることで、金融当局は一段と困難な問題を抱えている。

  ポズサー氏は「金融当局には操作手法の見直しが必要だろう。銀行準備が過剰な環境から、担保が過剰な環境に移行しつつあり、金融政策の手段一式にも適応が求められる」と指摘した。

  金融当局はこれまでのところ、民間銀行の超過準備への付利(IOER)をFF金利誘導目標レンジの上限よりも低めに設定することで実効FF金利の上振れを抑えようとしている。だがポズサー氏は、こうした対応では実効FF金利を低めに誘導することにはならないとする一方、「TBの供給過剰に対処するのに一段と効果的で混乱の少ない方法がある」と論じた。

  TBの発行急増でレポ市場では担保の過剰が生じているほか、金融危機後に導入された規制の制約を踏まえれば、銀行準備は十二分にあるとは言えず、金融当局に残されたバランスシート縮小の余地はそれほど大きくないとポズサー氏は分析する。

  ポズサー氏は翌日物レポについて、「担保が供給過剰で準備を追加する必要があるケースでは有益」だとし、将来的に状況が再び変わる可能性を踏まえ、超過準備を吸収するのに活用される翌日物リバースレポと並行させることもできるとコメント。しかし、全ての代替策を使い果たして便益が明確になるまで金融当局は新たな仕組みを作動させる公算は小さく、「準備の追加が困難であるならば、市場参加者の多くが予想しているよりも、バランスシート縮小を早期に打ち止めとすることでそれを維持する必要が生じるだろう」と結論付けた。

原題:Fed May End Taper This Year Amid Regime Rethink, Pozsar Says(抜粋)

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