パウエル氏率いる米金融当局、利上げ継続へ-トルコ市場混乱でも

  • 市場が織り込む9月の利上げ確率は90%、12月は55%前後
  • 中国絡みでなければ米国は新興国市場の動向をあまり気にせずか

パウエル氏

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

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トルコに端を発した金融市場の混乱は、新興国全般に波紋が広がりつつある。だが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が利上げを休止する理由にはなりそうにない。これが熟練のFRBウオッチャーの見立てだ。

  確かに2015、16両年には海外情勢を考慮して米金融当局が利上げを見送ったり、遅らせたりしたことはあった。しかし、当時は現在に比べて米国の失業率は高く、基調的なインフレ率は低かったという大きな違いがある。恐らくもっと重要なのは、当時の混乱の中心が世界第2の経済大国で、経済規模がトルコの10倍余りの中国だった点だろう。

  元FRB当局者で、現在はバークレイズの米国担当チーフエコノミストを務めるマイケル・ゲーペン氏は「過去の事例から一般的に言える結論は、中国を巻き込むものでない限り、米国は新興市場の動向を総じて無視する公算が大きいということだ」と語った。

  こうした見方は投資家のものと一致する。トルコ問題の波及が懸念されつつも、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む9月の米利上げ確率は90%で1週間前と変わりがなく、12月の利上げ確率は約55%とされている。

  米株価はこのところ、トルコ情勢もあって軟調な地合いとなっているものの、引き続き過去最高値近辺で推移し、影響は限られている。新興市場の緊張に伴うドル高は、米企業の輸出競争力をそいで経済成長を多少損なう恐れがあるが、長期金利の低下がそうしたマイナス要因を一部相殺している。

  一方、脆弱(ぜいじゃく)さを抱える新興国に一段とストレスを加えているのは、通商問題を巡るトランプ米大統領の攻撃的な姿勢だ。JPモルガン・チェースのグローバル経済担当ディレクター、デービッド・ヘンスリー氏(ニューヨーク在勤)は、「米国は懸念や不安を抑えるという、従来の役割を果たしていない。それどころか、火に油を注いでいる」と指摘した。

原題:Powell to Keep Hiking as U.S. Growth Overshadows Turkey Turmoil(抜粋)

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