Photographer: Kostas Tsironis/Bloomberg

トルコ情勢に揺れる新興国市場、ファンダメンタルズの強さ置き去りに

  • 投資家、トルコ関連リスク回避で新興国へのエクスポージャー圧縮
  • 「トルコと同じ問題を抱える国は他にない」-GAMのマクナマラ氏

トルコの金融危機に動揺した新興国市場は、向こう数日から数週間は下げ続けるかもしれないが、これ以上はそれほど痛みを伴うことなく苦境を乗り越えそうだ。

  危機が伝染するとの懸念は13日に浮上。トルコ・リラは2営業日の下落率を約20%に拡大して最安値を付け、南アフリカ共和国の通貨ランドやメキシコ・ペソ、インド・ルピーを含む新興国通貨のパニック的な売りに拍車が掛かった。投資家はトルコでの損失の穴埋め、あるいはリラのポジションをヘッジするため、新興国市場全体へのエクスポージャーを圧縮した。
           

クレディ・スイスのグローバルCIO、ブルクハルト・バーンホルト氏は新興国市場への波及についてコメント

出所:ブルームバーグ

  もっとも、近い将来のその先をみると、他の新興国市場がトルコと同列に扱われるファンダメンタルズ上の理由はほとんどない。平均インフレ率は記録的な低さで経常収支は改善しており、新興国の世界はトルコの現状からかけ離れつつある。この違いが危機の伝染を抑える可能性がある。

リラの伝染リスクは限定的-ゴールドマンのスピルオーバー指数が示唆

  GAM・UKのファンドマネジャー、ポール・マクナマラ氏(ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「トルコと全く同じ問題を抱える新興国市場は他にないため、トルコだけに封じ込められる可能性がある」と指摘した。
            

           
  トルコの問題の核心は急激なインフレであり、これが実質リターンを低下させる。一方、新興国市場の平均インフレ率は2.81%と記録的な低水準で、過去7年間において実質利回り平均を4ポイント余り押し上げた。これは持続的な売りを支える材料ではあり得ない。

  経常収支の悪化とインフレ高進の抑制に政策当局が十分な措置を講じてこなかった市場を、投資家は罰し続ける。トルコのインフレ率は15.9%、アルゼンチンは同29.5%で、リラとペソはいずれも年初来の通貨パフォーマンスでランキング最低付近に位置する。
            

Narrowing Deficit

Emerging markets' current-account deficit as a percent of GDP has narrowed since 2016

Source: IMF

  「われわれにとっての大きな懸念材料は、トルコが本当に重大な危機に陥り、資本規制を課すことだ」と述べたマクナマラ氏は、そうなれば、新興諸国の「資産クラスの信用を失墜させるようなものだ」と語った。
  

Growth Picking Up

Real GDP growth for emerging markets

Source: IMF

原題:Turkey Too Much of a One-Off to Undermine Emerging-Market Case(抜粋)

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