トルコ・リラ急落が新興国市場に落とす暗い影-センチメント悪化

  • 通貨インプライド・ボラティリティーの指数、15年以来最大の上昇
  • それでも新興国市場への波及は一時的な公算-クレディ・アグリコル

今週の新興国市場を見渡しても、トルコ・リラ急落ほどトレーダーの注目を集めそうなテーマは見当たらない。

  トルコが全面的な金融危機へ向かう中、同国の混乱が他の新興市場諸国に対するセンチメントに悪影響を与えるとの懸念が高まり、通貨のインプライド・ボラティリティーに基づく指数は中国当局が人民元を切り下げた2015年以来の大幅上昇を記録した。新興国通貨に連動する指数は10日に過去1年余りで最も大きく下げ、13日は年初来安値を更新している。

  リラ急落とそれがトルコ銀行業界に与える影響という問題が、今年ここまでリスクテーク意欲を比較的低く抑えている懸念リストに新たに加わった。

  キャピタル・エコノミクスのチーフ新興市場エコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏(ロンドン在勤)はリポートで、「これは新興市場に対して過去数カ月に生じた新たな逆風だ」と指摘。「中国経済は足元で減速しつつあり、新興市場諸国は金融政策を引き締めつつあり、貿易戦争は激しさが増している。これらは新興国市場を巡る投資家センチメントを悪化させる恐れがあり、新興市場の成長は弱まるというわれわれの見方を強くさせる」と説明した。

  もっとも、アナリストの多くは、トルコが新興国市場に対するセンチメントに影響を与えているものの、その波及は一時的となる公算が大きいと指摘。リラを押し下げている金融危機はトルコ固有の問題だと、キャピタル・エコノミクスとクレディ・アグリコルはみている。

  クレディ・アグリコルのシニア新興市場ストラテジスト、ギヨーム・トレスカ氏(パリ在勤)は電子メールで、「もう一つのリスクの高い経路は、債務残高が大きく政治的問題を抱える他の国々への投資家懸念が増すことだ」と述べる一方、「そうは言っても、われわれの見解では、トルコの状況は極めて特殊だ」と付け加えた。
           
原題:Lira Looms Over Emerging Markets With Turkey White-Knuckle Ride(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE