Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国、金融緩和も融資伸び悩み-貿易摩擦懸念などで伝達目詰まり

  • 劉副首相主宰の会議、目詰まり解消呼び掛け-政府の危機感浮き彫り
  • 追加金融緩和でも効果乏しく、的を絞った財政政策に軸足を-ANZ
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国人民銀行(中央銀行)は、市中銀行に融資を増やすよう説得しなければならないという問題に直面している。最近までめったに懸念する必要がなかった事態だ。

  人民銀による流動性支援もあり、短期金融市場での調達金利は中銀からの借り入れコストを下回るようになったが、こうした資金の大半は貸し出しに回らず滞留している。銀行が融資やリスクの高い債券購入に消極的で、特に資金繰りに苦しんでいる中小企業に資金が回りにくくなっている。

  対米貿易摩擦が激化しているほか、既に高水準にある債務の抑制に向けた取り組みも進み、こうした企業に資金を行き渡らせることは中国の成長維持に不可欠だ。人民銀は8月初めから貸し出し促進に向けてルール緩和に乗り出したほか、劉鶴副首相が主宰する幹部会議では政策の伝達メカニズムの目詰まりを解消する取り組みを強化するよう求めており、中国政府の危機感が浮き彫りとなった。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の曲天石エコノミスト(上海在勤)は、「銀行は今も十分な自信を持てず、景気減速下の信用リスク拡大やレバレッジ圧縮の取り組み復活、貿易戦争の激化をなお懸念している」と話す。

  曲氏は、追加の金融緩和を講じても景気浮揚効果は乏しい公算が大きいとし、リスクテーク意欲改善のため、的を絞った財政政策の強化に軸足を移すよう提言した。

  スタンダードチャータードの大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)は「伝達面で目詰まりが残っており、早期に預金準備率を一段と引き下げても大きな効果は見込みにくく、緊急性は下がっている。中国経済で最終的に需要が持ち直すまで1年を要する公算が大きい」と指摘した。

原題:China Faces Problem in Getting Its Banks to Lend More Money (1)(抜粋)

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