【個別銘柄】トルコ不安で銀行下落、三井金やロームも、リクルト高い

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  • トルコリラが一時安値、銀行のクレジット費用増に懸念とアナリスト
  • 三井金は上期利益計画を下方修正、リクルトHに通期上振れ期待

13日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  銀行株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前週末比2.8%安の650.9円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.1%安の4280円など。トルコのエルドアン大統領が12日の演説で、米国と金融市場の通説に挑む姿勢を変えない中、13日の為替市場でトルコリラは対ドルで一時7.2リラ台と最安値を更新。マッコーリー・グループの守山啓輔シニアアナリストは、トルコを巡る先行き不透明感が銀行株安に影響している可能性があると指摘した。与信関係費用が低い中でトルコ関連のクレジットコストが大きくなると、トップラインの伸びが弱い中ではボトムラインが影響を受けやすいとみている。

  三井金属(5706):14%安の3595円。4-9月期の経常利益計画を180億円から110億円に下方修正。機能材料で極薄銅箔の販売量減少が見込まれ、金属価格の想定を下回る推移なども響く。前年同期比では2.5%増が一転、37%減の見通し。SMBC日興証券は、減額幅70億円のうち40億円は金属市況下落に伴う在庫評価損、酸化タンタルの低価法による損失5億円など一過性要因だが、収益実態は悪化しているとの見方を示した。亜鉛やインジウム市況下落で在庫評価損発生の可能性は予想していたが、その他の事業の不振は想定外でネガティブとみる。

  ローム(6963):4.2%安の9030円。7月月次売上高は前年比5-10%増、前月比でも5-10%増。ゴールドマン・サックス証券は、単月の水準としては想定をやや上回ったが、2019年3月期で659億円、20年3月期で766億円を見込む市場予想の到達をサポートする水準ではないと分析。到達には10%半ばの伸びが必要で、会社側コメントもゲーム本体向け、産業用機器向けの鈍化を示唆する内容に変化している点に留意したい、と投資判断「売り」を継続した。

  リクルートホールディングス(6098):5.9%高の3213円。4-6月期営業利益は前年同期比20%増の678億円。HRテクノロジー、メディア&ソリューション、人材派遣事業の全てで増益となり、市場予想の621億円を上回った。19年3月通期計画は前期比9.5%増の2100億円で据え置き、進捗(しんちょく)率は32%。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、好調な雇用市場を背景にHRテクノロジーや人材派遣などを中心とした収益拡大が続いている印象で、通期は上振れる可能性が高いとの見方を示した、同証の通期営業利益予想は2251億円。

  日本郵政(6178):2.4%高の1258円。4-6月期純利益は前年同期比18%増の1235億円。経常収益は3.4%減ったものの、ゆうパックなど郵便・物流事業の増収・黒字転換、国際物流も黒字化し、かんぽ新契約が減った金融窓口事業の低調を補った。純利益で前期比28%減の3300億円を見込む19年3月通期計画は据え置き、進捗率は37%。SMBC日興証券は、ゆうパックの好調が続き、想定以上の高進捗でポジティブと評価した。

  ドンキホーテホールディングス(7532):5.6%高の5220円。18年6月期営業利益は前の期比12%増の516億円、19年6月期は前期比2.8%増の530億円と計画した。ゴールドマン・サックス証券は、前期は同証予想の510億円をやや上振れ、想定以上と評価。会社側は第3四半期説明会で第4四半期に向け非常に強い自信を示していたため、マネジメント執行力の高さが示唆されたとし、投資判断「買い」を継続した。

  コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(2579):11%安の3370円。1-6月期営業利益は前年同期比11%減の152億円。7月豪雨被害の影響を合理的に算定することが困難とし、18年12月通期計画は未定に変更した。野村証券は、自販機チャネルが想定以上に苦戦したと分析。4-6月期は、PETコーヒーの販売拡大に伴う製品ミックスの悪化などで前年同期比19%減の121億円と同証推定の140億円を下回った、と指摘した。中期視点で自販機チャネルの市場縮小が継続すると見込まれ、成長期待の低下リスクに注意が必要とみる。

  ヤマトホールディングス(9064):2.4%安の3205円。14日だった19年3月期第1四半期(4-6月期)報告書の提出期限の延長を申請。新たな提出期限は9月14日。引っ越し子会社ヤマトホームコンビニエンスの法人顧客への過大請求問題によるもので、コーポレートガバナンス(企業統治)の不備をあらためて懸念する売りが入った。

  SGホールディングス(9143):4.8%高の2550円。4-6月期営業利益は前年同期比3.5%増の191億円。高付加価値サービスの提供、適正運賃化の取り組みで営業収益が堅調とし、19年3月期計画を630億円から前期比5.2%増の660億円に上方修正した。ゴールドマン・サックス証券は、第1四半期は同証想定の140億円を大幅に上回る着地で、決算期変更の影響を調整すると前年比42.5%増と分析。決算電話会議では通期修正計画の単価前提に対し足元の単価がさらに好転している可能性を示唆、通期計画はさらに上方修正される確度が高いともみる。

  東京精密(7729):16%安の3115円。4-6月期営業利益は前年同期比22%減の31億3400万円、19年3月通期計画を185億円から前期比1.3%増の175億円へ下方修正した。JPモルガン証券は、受注はメモリー中心に上振れたが、ここへきて部材・コスト要因での利益の下方修正はややサプライズとの認識を示した。

  ケネディクス(4321):8%高の688円。19年3月期の営業利益計画を123億円から前期比14%増の140億円に上方修正。不動産市場の好況で不動産投資事業の収益拡大が寄与する。SMBC日興証券は、売却時のリターンが当初想定以上に増えたほか、計画以上に売却物件が増えたことが要因で、短期的にポジティブな印象とした。

  セイコーホールディングス(8050):16%高の2793円。4-6月営業利益は前年同期比11%減の24億3100万円だったが、市場予想の13億7500万円を上回った。据え置いた19年3月通期計画の80億円に対する進捗率は30%。売り上げ増加とコストダウン効果で、ウオッチ事業は83%増益だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、ウオッチ事業の利益が同証予想を大きく上回ったと指摘。販売単価の上昇が好調の背景とみられ、取り組んできたブランド強化戦略が成果を示しつつある可能性に言及した。

  パーソルホールディングス(2181):5.3%高の2504円。4-6月期営業利益は前年同期比27%増の115億円。ジェフリーズ証券は、同証予想の100億円や市場予想の105億円を超えて着地し、先行投資をこなしながらも着実な利益拡大を実現したと評価。リクルーティングセグメントの営業利益が高水準だったことは明白にポジティブで、会社計画(19年3月期は前期比18%増の425億円)から上振れの可能性が出てきたとし、投資判断「買い」を継続した。

  レオパレス21(8848):5.5%安の547円。4-6月期営業利益は前年同期比41%減の41億2000万円。大都市圏での競争激化やアパートローンを巡る報道の影響で開発事業の受注低迷が響く。前期比6.8%増の245億円で据え置く19年3月通期計画に対する進捗率は17%。みずほ証券は、施工不備問題のあく抜けには検査の進捗や補修費用が固まるほか、入居率への影響が限定的と確認されることなどが必要で、第2四半期決算以降との見方を示した。

  アイフル(8515):8.1%安の330円。4-6月期経常利益は前年同期比44%増の17億7300万円だったが、みずほ証券では単体業績は概ね想定の範囲内で、連結子会社であるライフカードの経常利益5億8400万円は同証想定より5億円程度下回り、ややネガティブとの見方を示した。クレジットカードの買い上げ実績は前年同期比減少に転じるなどモメンタムが弱まっており、何らかの手立てが必要としている。

  栗田工業(6370):5.3%安の3025円。4-6月期営業利益は前年同期比21%増の42億4700万円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、同証予想の48億円を下回ったとし、水処理装置事業で市場が想定していなかった進行基準の範囲拡大とプロジェクト採算悪化の2要因を除いた利益の進捗が過去と比べ低い、との見方を示した。水処理装置事業の営業利益は21億3800万円、前年同期は19億8400万円だった。

  関東電化工業(4047):5.6%高の1122円。19年3月期の営業利益計画を82億円から90億円に上方修正。精密化学品事業で電池材料は計画を下回るが、半導体・液晶用特殊ガス類が堅調に推移、原材料単価が想定を下回った上期動向を踏まえた。前期比では減益率が9.4%から0.5%に縮小する見込み。

  東京製綱(5981):16%安の1443円。19年3月期の営業利益計画を42億円から前期比9.9%増の34億円に下方修正する、と13日午後1時に発表。中国政府が太陽光発電(PV)設備の支援策を見直したことに伴い、中国PV市場が軟調となり、太陽光発電向けシリコンウエハー切断用細物ワイヤーが減った。

  東和薬品(4553):1000円(16%)高の7130円とストップ高。4-6月期営業利益は前年同期比47%増の35億円。近年の追補品が順調に推移、売り上げ原価率も1.2ポイント改善し、人件費や研究開発費などのコスト増を吸収した。前期比17%減の97億円で据え置いた19年3月通期計画に対する進捗率は36%。

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