【日本株週間展望】小幅高、円安寄与し四半期決算好調ー米中対立重し

  • 第1四半期経常利益は20%増、過去比で高進捗ー大和証
  • 米中の貿易摩擦拡大懸念が上値抑制、FFRでの円安けん制も警戒

8月3週(13-17日)の日本株相場は小幅反発が見込まれる。新年度入り以降、為替相場がドル高・円安で推移する中、発表がほぼ一巡した4-6月期決算がおおむね増益となったことが買い手掛かり要因となる。一方、米国と中国の貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念は根強く、上値は限られる。

  大和証券によると、金融を除く主要200社(大和200)の1、2、3月期決算企業のうち90%が8日までに第1四半期決算を発表し、経常利益は前年同期比20%増となった。会社の上期計画に対する進捗(しんちょく)率は59%と、過去3年の平均50%を上回った。4-6月期の平均為替レートは1ドル=109円台と企業の期初想定より円安となり、7月以降も110円を超える水準で推移し、緩やかな円安基調を維持している。業績に対する追い風は続いており、上期決算での通期計画の上方修正期待が高まる状況だ。

東証内株価ボード

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  米国では15日に7月の小売売上高、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産、16日に7月の住宅着工件数などが発表される。小売売上高の市場予想は前月比0.1%増と6カ月連続プラス、住宅着工件数は同7.9%増の127万3000戸(年率換算)と増加に転じるとみられている。強めの指標発表が続くことで9月25、26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測を強め、米長期金利やドル・円相場を後押し、日本株を押し上げる可能性がある。

  ただし、米国は中国製品160億ドル相当への25%の追加関税を23日から適用、中国も同規模の報復措置発動を表明しており、米中貿易摩擦拡大への警戒感は根強い。9日に始まった日米新貿易協議(FFR)では、米国が自動車の輸入制限を交渉の材料として日本に市場開放を迫るとの見方がある。日本の金融緩和政策や円安への言及もあり得るため、警戒が必要だ。第2週の日経平均株価は週間で1%安の2万2298円08銭と続落した。

≪市場関係者の見方≫
三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
  「反発を予想する。第1四半期決算は円安が寄与して製造業中心に堅調。株価には相応に織り込み済みだとしても、経常利益で10%を超す増益は安心感をもたらした。中国株が底入れした公算が大きい点も好材料。足元の中国経済の減速は昨秋からのレバレッジ圧縮の影響が大きく、インフラ投資による景気刺激策が打ち出されることに期待が持てる。ただ、日経平均は5月以降に2万3000円で3回跳ね返されており、同水準に接近すると持ち高整理の売りが出やすい。日米貿易協議の交渉過程で米国側から円安けん制発言が出ることに警戒も必要だ」

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「企業決算から経済指標に目線が移り、日本経済と関連性が高い米国と中国の堅調な景気が評価されるだろう。中国では鉱工業生産や小売売上高などで堅調な数字が維持される見通し。米国は若干弱めに出る見込みだが、景気が不安視されるには至らない。ただ、米国は2000億ドル相当の対中追加関税を検討中で、米中貿易摩擦問題に対する懸念は根強い。このため相場の上値は重く、報復合戦になれば大きく調整する可能性がある」

三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  「日米の通商交渉では米国が保護主義的な要求をしてくるとはみておらず、自動車の輸入制限など日本株へのネガティブインパクトはさほど懸念していない。中間選挙を控えた米国が対日交渉でどの程度強気で臨んでくるか警戒されていたが、日本が農産品などの輸入拡大で譲歩して一定の落としどころを見出すことは可能だ。市場の注目は貿易問題から減税効果を支えに回復が続く米経済に向かう。発表される小売売上高などは市場予想が控えめだが、実体経済の強さを確認できそう。9月と12月の米利上げを織り込んで9月末の米10年債利回り3.1%、為替は1ドル=115円程度と現状より金利高・円安に振れるとみており、日本株の買い要因となる」

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