人民元安もパニック起きず、中国当局の対策奏功-元切り下げから3年

  • 現行水準よりも元高方向で今年を終えると市場関係者は見込む
  • 16年のような大規模資本流出は見込まず-SAFE元幹部の管涛氏

中国人民銀行(中央銀行)が2015年に人民元切り下げを実施してから3年。元相場は先週までドルに対し8週連続の下げと1994年以降で最長の下落局面を記録したが、ここにきて安定化しつつある。3年前よりもさらに急な元安となっているものの、中国当局はよりスムーズに対処しているようだ。

  人民銀は元安を見込んだ取引のコストを引き上げる措置を講じたほか、大手銀行に対しては下落モメンタムに追随する動きを避けるよう促した。中銀は15年8月11日、事実上の元切り下げに踏み切った。

  他にも海外への資本移動を難しくする規制強化や外国からの資金流入を促す制限緩和など、15年に比べて対策は次々と打っている。米国との貿易摩擦で人民元を武器に使わないと一貫して主張しており、市場関係者が現行水準よりも元高方向で今年を終えるとなお予想しているのもこのためかもしれない。

  トランプ米政権が追加関税を賦課する中、人民元安が中国の輸出企業を支援する可能性はあるが、15-16年のような資本流出やさらにきつい元下落リスクが根強く残る。15年の元切り下げ後は相場を安定させるため巨額の外貨準備高を取り崩さざるを得なかった。

  国家外為管理局(SAFE)の元幹部、管涛氏は中国当局が3年前よりも高いボラティリティーを容認する姿勢を強めているが、「内外の不確実性」は当局の懸念材料だと話す。

  1994年の為替レート一本化や世界金融危機など、SAFE在職時に中国為替市場の節目を経験した管氏によると、元相場見通しが偏った場合、中国には口先介入の強化やドル売りなどさらなる手段が残っている。

  同氏は「人民元の下げはきついものの、市場のパニックは再燃していない。16年に経験したような大規模な資本流出は見込んでいない」とコメントした。

原題:On Devaluation Anniversary, China Logs Win in Yuan Campaign (1)(抜粋)

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