円が全面高、日米貿易協議懸念やトルコリラ急落でリスク回避

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  • マーケットが薄い中、短期的には円買い仕掛けやすい-みずほ銀
  • ドル・円は円買いとドル買いの綱引きで行って来い

東京外国為替市場では円が全面高。日米新貿易協議(FFR)に対する懸念やトルコリラの急落などを背景にクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心にリスク回避の円買いが加速した。ドルも円以外の通貨に対して上昇している。

  円は午後3時39分現在、先進国や新興国などほぼ全ての主要通貨に対して上昇。対ユーロでは前日から一時1%近く上げ、6月19日以来となる1ユーロ=126円83銭まで円高が進行した。午後の取引で欧州中央銀行(ECB)が一部の欧州銀行のトルコリスクを懸念していると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたのをきっかけにユーロ・ドルが心理的節目の1ユーロ=1.1500ドルを割り込んだ。

  みずほ銀行の加藤倫義参事役はFFRについて、「米国は2国間協議、日本はTPPの枠組みにこだわっており、良い果実が生まれているような雰囲気ではない」と指摘。「夏休みであり、みんなTPPの結果を見たいからあまり積極的にポジションを張ろうとしていないということはマーケットは薄い。そういう中で、つい最近までリスクオフの円買いはお休みだっただけに、短期投機筋にしてみれば今日は円買いが仕掛けやすい」と話した。

  共同通信によると、茂木敏充経済再生相は9日のFFRの協議後、記者団に対し、「米国は2国間の交渉を望んでいる」と語り、10日に2日目の協議をすると明言した

  ドル・円相場は円買いとドル買いが交錯し、行って来いの展開。朝方付けた111円17銭から一時110円68銭と7月26日以来の水準まで円高が進んだが、その後はドル買いが強まり、111円台を回復する場面も見られた。同時刻現在は前日比0.1%安の111円02銭で推移している。

  トルコリラは連日の大幅安。対米関係悪化やインフレ高進に対する懸念から売りが加速し、対ドルでは史上初の1ドル=6リラ台、対円で1リラ=17円台まで急落した。

  マネースクエアの西田明弘チーフエコノミストは、リラが下げ止まるためには、「インフレ抑制のために利上げをすること、そして財政の拡張政策の修正といった適切な経済政策を打てるかが鍵となる」と指摘。「目先的にはきょう公表されるとみられる新しい経済政策でどういうものが提示されるか、そして緊急会合などで利上げを行えるかポイントになりそう」と話した。

  この日は英国で4-6月の国内総生産(GDP)、米国で7月の消費者物価指数(CPI)が発表される。あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、「米CPIへの期待はあるが、雇用統計で平均時給などをいったん消化しているので、それほど大きな動きにはつながらない」と予想。むしろ、欧州通貨安が進む中で「英GDPの方が相場が振れる可能性がある」と話した。

  ポンド・円相場は一時1ポンド=142円を割り込み、昨年9月以来の水準までポンド安・円高が進行。ポンド・ドル相場は1ポンド=1.2800ドルを割り、約1年ぶりの安値を付けた。

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