見極めるのは「あの女」-EU離脱取り決めが英経済に与える影響

  • クレア・ロンバルデッリ氏は女性初の財務省首席経済アドバイザー
  • 労働者階級の多い地域出身で公立校育ち-多様な考え方を重視

グーグルで人名「クレア・ロンバルデッリ」を検索すると、英政府の上層部で起きた対立に触れる記述が上位に現れる。怒った閣僚の1人がロンバルデッリ氏を「あの女」と呼んだのだ。

  2010年のことだ。ロンバルデッリ氏はオズボーン財務相(当時)の部下で、同相は福祉改革を巡ってダンカンスミス雇用・年金相と対立していた。当時の報道によると、ロンバルデッリ氏は議論で一歩も引かず、ダンカンスミス氏に同氏の提案は「機能しない」と告げて怒りを買った。

クレア・ロンバルデッリ氏

フォトグラファー:OLIVIA HARRIS

  あれから8年。オズボーン氏もダンカンスミス氏も閣僚の座を追われた。だが、ロンバルデッリ氏(39)はかつてないほどの権限を握っている。財務省で女性初の首席経済アドバイザーを務めているからだ。このポジションは、政府のシニアエコノミストとして最上位。同氏は英経済見通しで閣僚らに助言する責任を持ち、欧州連合(EU)離脱による影響の重大な見極めを担う。

  「合意なき」離脱になるのではないかとの懸念が国内外で広がっているが、メイ首相が10月の期限までにEUと合意に至れば、その取り決めが英経済のためになるのか、ロンバルデッリ氏が分析しなければならない。その過程で、政治家から集中砲火を浴びる状況はあり得そうだが、備えを十分に行うことが鍵だと同氏は心得ている。女性なら、なおさらそうだという。

  同氏はインタビューで、「女性が自分なりの見方を持つと、『嫌な女』というレッテルを貼られる方に近くなるかもしれない」と述べた上で、「やるべき準備をしっかりやって、それから自分の立場を明確にしなければならない」と語った。

  女性である以上に、ロンバルデッリ氏は自身の生い立ちが自分を政府の多くの同僚とは異質な存在にしているとも感じている。同氏は労働者階級の多いイングランド北部グレーター・マンチェスターのストックポート出身で、オックスフォード大学に入るまで公立の学校に通った。男子全寮制の私立超名門校イートン校で学んでから同大に進んだキャメロン前首相やジョンソン前外相のようなエリート中のエリートとは違う。  

  ストックポートは2016年の国民投票でEU残留を支持したものの、イングランド北部には離脱を選んだ地域が多い。ロンバルデッリ氏はまた、15-16歳で学校を辞めた人々も目にしてきた。離脱支持層に合致する人々を知ることで、国民生活に影響する政策を政府が決める際にアウトサイダー的視点を持てると自負している。「私にとって、一番重要なのは考え方の多様性だ。公務員なら、自分が仕える国を理解するのは本当に重要な仕事の一部だ」と同氏は述べた。

Who Voted for Brexit?

Those in skilled jobs and with more qualifications less likely to vote to leave EU

Source: Ipsos Mori

原題:This Woman Will Decide If Brexit Is Good for British Businesses(抜粋)

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