日本株1カ月ぶり安値、日米FFR警戒とユーロ安-午後300円超安に

更新日時
  • 日米貿易協議に進展見えず、トルコリラ急落し対ユーロで円高加速
  • 米証券弱気で半導体関連安い、不動産や保険など東証32業種下げる

10日の東京株式相場は3日続落し、主要株価指数は1カ月ぶり安値。日米新貿易協議(FFR)への警戒が続く中、午後に入りトルコリラ下落を材料に対ユーロで円高基調が強まり、新興国不安から下げ足を速めた。半導体関連など電機株、精密機器や海運、不動産株など東証1部33業種中、32業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比20ポイント(1.2%)安の1720.16、日経平均株価は300円31銭(1.3%)安の2万2298円08銭。両指数とも7月12日以来の安値水準に沈んだ。

  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「FFRはどこまで話し合いが進んだのか交渉内容が分からず、市場には自動車関税などのリスクに対する警戒が残っている」と指摘。日本は環太平洋連携協定(TPP)、米国は2国間の自由貿易協定(FTA)を示すなど「考え方が違うことから議論の進め方が難しい。2国間で交渉が進めば、日本側が一番危惧する自動車関税も視野に入りやすい」との認識を示した。

東証外観

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  茂木敏充経済再生相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はワシントンでFFRに臨み、共同通信の報道によると、米国は2国間交渉を望み、日本はTPPへの米復帰を促した。米時間10日に2日目の協議を行う。麻生太郎財務相はきょうの閣議後会見で、FFRについて「日米がきちんと話すことができるのは大事だが、米国は2国間、日本は多国間での解決を目指すので、両国の立場の違いははっきりしている」と述べた。

  きょうのドル・円は、朝方付けた1ドル=111円17銭から一時110円68銭までドル安・円高方向に振れた。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、FFRの協議が続く間、「米国側からみて対日貿易赤字が拡大するようなドル高・円安には向きにくく、円が買われやすい状況」と言う。

  週末の日本株は高安まちまちで始まった後、FFRの不透明感や為替動向を嫌気し、徐々に下落。米モルガン・スタンレーが半導体関連セクターの判断を「インライン(標準的)」から「コーシャス(慎重)」に下げた影響で、東京エレクトロンやSUMCOなど関連銘柄が下げたことも株価指数を押し下げた。

  午後半ば以降は、トルコリラ安を受け対ユーロで円高基調が強まり、日本株も先物主導で一段安。日経平均は一時325円安、ユーロ・円は朝方の1ユーロ=128円付近から127円割れまで円高が進んだ。証券ジャパン調査情報部の増田克実副部長は、「トルコリラ急落から新興国の通貨不安が懸念されるほか、週末を控えヘッジ売りが重なり、下げ幅を広げた」とみていた。英紙フィナンシャル・タイムズは、欧州中央銀行(ECB)の銀行監督部門は欧州の銀行の中で特にBBVA、ウニクレディト、BNPパリバがリラ下落の影響にさらされていると考えていると報じた

  一方、内閣府がけさ発表した4-6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率1.9%増と2期ぶりのプラス成長で、市場予想は1.4%増。SMBC信託の山口氏は、「GDPは踊り場からの脱出でプラス評価しても良いが、米中貿易摩擦問題が継続している状況で外需部分に不安が残り、株式を買い進む力にならない」と指摘した。取引開始時は株価指数オプション8月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグの試算で日経平均型は2万2655円70銭と前日終値を57円31銭上回った。

  • 東証1部33業種は鉱業、海運、不動産、保険、情報・通信、金属製品、電機、精密機器など32業種が下落、上昇は石油・石炭製品の1業種
  • 売買代金上位では、4-6月期純利益が42%減の第一生命ホールディングス、決算失望の国際石油開発帝石が安く、アルバックやスルガ銀行は大幅安
  • 半面、増益決算と自社株買いが材料の富士フイルムホールディングス、増配と自社株買いの株主還元強化をアナリストが評価した昭和シェル石油は高い、1-6月期営業利益が市場予想を上回った荏原は急騰

  

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