4-6月GDP年率1.9%、予想上回る増加-貿易摩擦に懸念も

更新日時
  • 個人消費は前期比0.7%増、設備投資は1.3%増
  • 米の自動車関税、影響は全体に広がると農林中金・南氏
Photographer: Keith Bedford/Bloomberg
Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は2期ぶりにプラス成長となった。個人消費と設備投資が増加し、市場予想を上回った。ただ輸出の伸びが2期連続で鈍化し、エコノミストからは今後の米国との貿易摩擦の影響を懸念する声も出た。

  内閣府が10日公表した実質成長率は前期比0.5%増、年率換算1.9%増(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ0.3%増、1.4%増)となり、9四半期ぶりのマイナス成長だった前期から回復した。

  個人消費は0.7%増(予想は0.2%増)と2期ぶりの増加となった。1-3月の天候不順による野菜価格高騰の影響が一巡し、自動車販売も好調だった。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は電話取材で、消費が思った以上に伸び「意外感がある」と話した。1-3月の反動に加え、所得環境の好転も後押ししており「消費の持ち直しはしばらく傾向として出る」と分析した。

  ただ7-9月は記録的な猛暑に加え、広島県などを襲った7月の西日本豪雨の影響も出てくる。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは前回の下落と合わせると消費動向に大きな変化はなく「消費が拡大するシナリオが続くかどうかはまだ分からない」と指摘した。

設備投資

  設備投資は1.3%増(予想は0.6%増)と7期連続の増加。2016年10-12月期の1.6%以来の伸び幅だった。人手不足を補う省力化投資や東京五輪へ向けた建設需要などが堅調だ。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは発表後のリポートで、「設備投資を取り巻く環境は良好」と指摘。統計でも企業の設備投資意欲の強さが表れており、「先行きも増加基調で推移するとみられ、景気の下支え役として貢献する可能性が高い」と分析した。

  ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンに出演し「企業にアニマル・スピリットが戻ってきた」と分析。企業は「成長とよりよいテクノロジーへの投資」をしていると説明した。

輸出

  輸出は0.2%増にとどまり、17年10-12月の2.1%増から2カ月連続で伸び率が鈍化した。海上輸送などサービス輸出が減少した。モノの輸出は堅調だった。

  野村証券の美和卓チーフエコノミストは発表後のリポートで、「グローバル景気の減速を反映して、日本の外需も徐々に減速過程に入りはじめていると判断される」と指摘。輸出の動きが「成長モメンタムの鈍化を示唆」しているとみている。

  輸出については麻生太郎財務相も閣議後の会見で米中の貿易摩擦を挙げ「不確実性要素があるのは確か」だと話した。

  米国の保護主義的な貿易政策は日本も対象になっており、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による日米通商交渉が9日から米ワシントンで行われている。米国が検討している自動車や部品への追加関税が焦点となるが、課税された場合、日本への影響は大きい。

  農林中金総合研究所の南氏は「自動車は産業波及効果が大きく、ここで弱い影響が出ると全体的に広がりかねない」と懸念する。

キーポイント

  • 実質国内総生産は前期比0.5%増、年率換算1.9%増(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ0.3%増、1.4%増) 
  • 個人消費は0.7%増(予想は0.2%増)と2期ぶりの増加
  • 設備投資は1.3%増(予想は0.6%増)と7期連続増加
  • 個人消費の増加には自動車や冠婚葬祭、学習塾が寄与と内閣府の担当者
  • 住宅投資は前期比2.7%減-前期は2.3%減
  • 外需の寄与度はマイナス0.1ポイント
  • 名目GDPは前期比0.4%増(予想は0.2%増)


(詳細を追加して全体を書き換えました.)
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