超長期債が上昇、30年入札順調で買い優勢-スティープ化修正の動き

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  • 新発20年債利回り0.615%、新発30年債利回り0.85%にそれぞれ低下
  • 30年入札、不透明感のある中でも押し目買い需要-メリル日本証

債券市場では超長期債が上昇した。この日に実施された30年利付国債入札が順調な結果となったことから買いが優勢となり、最近の利回り曲線のスティープ(傾斜)化を修正する動きが進んだ。

  9日の現物債市場で新発30年物59回債利回りは0.85%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低下した。前日は一時0.86%と、新発債として昨年11月以来の高水準を付けていた。新発20年物165回債利回りは1bp低い0.615%まで下げた。一方、長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは0.5bp高い0.11%で推移した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「30年債入札は不透明感のある中でもある程度押し目買いの需要を集めた。日本銀行の正副総裁が現行の金融政策は金利水準の引き上げを意図していないと明言している中で、買ってもいいという雰囲気が勝っている感がある」と指摘。ただ、「柔軟化の姿勢も示しているので、買い入れオペが増額される時もあれば、減額もあり得るため、減額への恐怖感で買い進みにくい面もある」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比1銭高の150円11銭で取引開始。午後零時35分の30年入札結果発表後に150円14銭まで上昇したが、現物の長期ゾーンなどの上値の重さから伸び悩み、結局は3銭安の150円07銭で引けた。 

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「きょうはこれまでパフォーマンスが良かった10-15年ゾーンが売られ、20-30年債に資金を振り向ける動きが出ている。スティープ化の流れが一服し、利回り曲線はフラット(平たん)化している」と話した。

30年債入札

  財務省が実施した30年利付国債の入札結果は、最低落札価格が96円35銭と、ブルームバーグがまとめた予想中央値の96円30銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.68倍と、前回の5.01倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は6銭と、前回の5銭を上回った。

過去の30年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

  30年入札結果について、パインブリッジの松川氏は、「事前に自律的に調整して安くなっていたため、やや強めの結果になった」と分析。「日銀の政策修正後も10年債利回りが0.1%程度で定着。新興国通貨などに対する円高や原油安、国内景気の減速を考慮すると、30年債利回りの低下によってイールドカーブがフラット化しない理由はない」と述べた。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.110%横ばい
5年債-0.070%+0.5bp
10年債 0.110%+0.5bp
20年債 0.615%-1.0bp
30年債 0.850%-1.0bp
40年債 0.990%-0.5bp
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