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日本株続落、日米新協議控えた円高嫌気ースズキなど排ガス検査不正も

更新日時
  • FFRは自動車での米強硬姿勢警戒、為替は1ドル=110円台後半
  • 住友鉱など非鉄金属や石油も安い、中国株出直り午後はプラス場面

9日の東京株式相場は続落。日米の新通商協議に対する不透明感が強い中、為替の円高推移が嫌気され、自動車株が安い。不適切な排ガス検査が発覚したスズキやヤマハ発動機が売り込まれた。住友金属鉱山など非鉄金属や石油株など資源セクター、建設株も下げた。

  TOPIXの終値は前日比4.55ポイント(0.3%)安の1740.16、日経平均株価は45円92銭(0.2%)安の2万2598円39銭。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、9日からの日米新貿易協議(FFR)について「米国の出方が分からず、不透明感があるほか、自動車関税などで交渉が難航すればドルが売られ、安全資産の円が買われる動きになりやすい」と指摘。トランプ米大統領が目指す対日貿易赤字削減に向け、「米国はドル安に向かわせたいとの思惑もある」と言う。

東証内

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  8日の米10年債入札結果を受けドルが売られた流れに加え、ワシントンでのFFRに対する警戒で、きょうのドル・円は一時1ドル=110円70銭台と前日の日本株終値時点111円28銭からドル安・円高に振れた。FFRは日本から茂木敏充経済再生相、米国は通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が交渉に臨む。米国は自動車関税の検討に加え、2国間の自由貿易協定(FTA)に関心を示している。

  きょうの日本株は下落して始まり、日経平均は午前に一時146円安まで下げ幅を広げた。大和証券エクイティ調査部の北岡智哉チーフストラテジストは、「FFRを控え、米国側が強硬姿勢で出てくるリスクを警戒した円高推移が株式相場に響いた」とし、市場は「日本政府が主張する直接投資や雇用増大の効果でなく、赤字額だけでみるなど通常の交渉が通用しない相手である点を怖がっている」との認識を示した。

  円高が売り要因の一つとなった自動車株は、不正検査事実の発覚もマイナスに作用した。国土交通省は9日、新車の燃費・排ガス検査に関しスズキとマツダ、ヤマハ発動機で失敗した測定を有効とした事案があったと公表。スズキは6%、ヤマハ発は4%強下げ、TOPIXの押し下げ寄与度1位は輸送用機器だった。

  一方、午後の日本株は下げ渋り、中国株動向に連れ日経平均は一時プラス圏に転じる場面もあった。中国国家統計局が9日に発表した7月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比4.6%上昇、消費者物価指数(CPI)は2.1%上昇し、市場予想の4.5%上昇と2%上昇を上回った。人民元相場が上昇したこともあり、中国上海総合指数は0.5%安で始まった後、一時2%以上上げるなど切り返した。岡三アセットの前野氏は、「中国は景気鈍化や対米貿易摩擦の影響を回避するため、財政出動や金融緩和に動いており、今後はインフラ関連の投資に期待が出ている。CPIやPPIが若干ながらも上昇し、景気改善が見て取れる」と言う。

  • 東証1部33業種は石油・石炭製品、建設、非鉄金属、輸送用機器、鉱業、その他金融、不動産、証券・商品先物取引など24業種が下落、上昇は化学、空運、パルプ・紙、その他製品など9業種、石油は前日のニューヨーク原油先物が米中貿易摩擦への懸念再燃で3.2%安と大幅反落した影響を受けた
  • 売買代金上位では、海外ニッケル製錬所のトラブルなどから4-6月期の税引前利益が市場予想を下回った住友金属鉱山、四半期決算での原価率悪化や7月月次受注の低調をアナリストが嫌気した大和ハウス工業、四半期決算が2割を超す営業減益の清水建設が安い
  • 半面、カルソニックカンセイを含む複数企業と提携協議中のパイオニアが急反発、決算説明会で利益上振れを示唆した資生堂、通期営業利益計画を上方修正した昭和電工も高い
  • 東証1部の売買高は13億1009万株、売買代金は2兆1834億円、値上がり銘柄数は849、値下がりは1157
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