オリックスが中国系航空機リースに2500億円投資、過去最大級

  • 海航集団傘下アボロンの株式30%を取得、実質的な共同経営
  • ビジネス上は補完関係に、事業戦略広がるメリット

オリックスは8日、中国の企業グループ、海航集団傘下の航空機リース会社アボロン・ホールディングス(アイルランド)の株式の30%を22億1700万ドル(約2500億円)で取得することで合意したと正式に発表した。マイナー出資ながら、実質的な共同経営となる。オリックスとしては過去最大級の投資。

  発表資料などによると、オリックスは11月をめどに手続きを完了する。非常勤取締役2人を派遣するほか、残り70%を保有する海航集団との間で重要事項の決定はオリックスの承認を条件とすることで合意しており、実質的には共同経営となる。オリックスは2013年に蘭資産運用会社ロベコを買収(2507億円)しているが、買収完了時点ではこれを上回る過去最大の投資案件となる見込みという。

  オリックスが中古市場で機体を調達して中堅航空会社や格安航空会社(LCC)に貸し出すのが得意なのに対し、アボロンは主に新造機を発注して大手航空会社向けにリースしており、ビジネス上は補完関係にある。オリックスにとっては、事業戦略の幅が広がり、利益の3割を取り込めるメリットがある。アボロンにとっては、投機的等級の発行体格付けが出資受け入れで改善する見込みで、調達環境の好転が期待できる。

  航空機業界は、新興国での需要の拡大やLCCの相次ぐ参入で有望な成長分野となっている。ボーイング社の調査では、37年までの20年間で17年の運航機数(2万4400機)の倍近い4万2730機の需要が見込めるという。航空会社は資金調達の多様化や運航計画の変更に柔軟に対応できるリースへの切り替えを進めており、現在40%超のリース機の割合が今後20年間で50%に達するとの予測もある。

  オリックスは1991年に航空機リース事業に本格参入。現在はアイルランドの子会社で中型機を中心に32カ国、70社の航空会社に貸し出している。航空機リースを含む海外事業部門は17年度連結決算のセグメント利益内訳で稼ぎ頭の25%を占めた。同子会社のデービッド・パワー社長は「今回の出資は、オリックスにとって大きな一歩だ。従来のビジネスモデルを磨きながら、新たな戦略出資によって持続的な成長を達成したい」とコメントした。

  調査会社、フライトグローバルの昨年の航空機リース会社ランキング(機体数ベース)によると、アボロンは585機で3位、オリックスは227機で12位となっている。両社を合わせても3位規模だが、1位のGE(1324機)、2位のエアキャップ(1076機)に近づく。

  海航集団(HNAグループ)は複数の航空会社や物流、観光開発などを手がける企業グループ。多額の債務を抱えて世界中で資産売却を進めており、米ミネアポリスに拠点を置くラディソン・ホテル・グループの売却なども取り沙汰されている。

  ブルームバーグ・ニュースは7日、オリックスがアボロン出資で最終調整していると報じた。これを受け、みずほ証券の佐藤耕喜シニアアナリストはリポートで「久々にインパクトのある案件」と指摘、連結利益を5%程度押し上げる可能性があるとした。また、SMBC日興証券の中村真一郎シニアアナリストらも質のいいアセットの積み上げによる利益成長が見えてきた点で好材料だと評価した。オリックスの8日の株価は一時、前日終値比2.9%高の1813.5円と7月9日以来の日中上昇率を記録した。

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