ダイモン氏は正しい、米国債利回りもっと高いはず-そうならない理由

  • 投資家は今日の状況だけを見ているのではない
  • 10年内にリセッションが訪れる確率はそれほど低くない
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)から出た10年物米国債利回り5%のコメントについて、数字よりも発言の真髄に注目すれば同氏が正しいことが分かる。米国債利回りは今より高いはずだ。

  米金融当局はさらに利上げをする方針で、S&P500種株価指数は1月以来の最高値水準となっているほか、米経済は4%の勢いで成長しており、減税によって過熱する方向。さらに米国債の供給は急増する見込みだ。

  しかしながら、投資家は今日の状況だけを見ているのではない。より長期の展望に基づき、10年債利回りが3%に達するたびに買い増している。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者のプリヤ・ミスラ氏は、10年債利回りが「5%になるためにはいろいろなことが変わらなければならない」と話す。ブルームバーグテレビジョンのインタビューに答えた同氏は、労働参加率と生産性が上がることや、世界の金利がもう少し米国と競い合えるレベルになることが必要だと指摘した。

  さまざまなリスクがあることも、10年債利回りが3%より上がらない一因だ。米景気拡大10年目にさらに景気を刺激しようとする財政政策で景気が過熱し、10年内にリセッション(景気後退)が訪れる確率はそれほど低くない。金融当局もボラティリティーと金利を抑えてきた10年来の政策を変えようとしている。こうした全てに貿易戦争のリスクが加わる。

  市場は現在、あと2回程度の利上げしか想定せず、その後の利下げの可能性も織り込んでいる。モルガン・スタンレーの金利戦略世界責任者、マシュー・ホーンバック氏は「歴史を振り返ると、連邦公開市場委員会(FOMC)は昇りにエスカレーター、下りはエレベーターを使う傾向がある」と述べた。

原題:Treasury Investors See Plenty of Reasons for Staying Under 5%(抜粋)

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