新興国市場のボラティリティーは増大へ-貿易戦争が人民元揺さぶる

  • 貿易摩擦が激化する中、ドル・人民元と新興国通貨の逆相関強まる
  • 米国側からのいかなる進展にも間違いなく反応へ-リン氏

新興国市場はボラティリティーが一段と上昇する局面に向かっている可能性がある。年央の低調な取引で流動性が奪われることに加え、米中貿易紛争の影響でトレーダーは人民元の方向性を捉えにくくなっているからだ。

  今週発表される中国と台湾、フィリピンの7月の貿易統計は、貿易摩擦が域内の輸出の重しになり始めたかどうかの判断材料になる見通し。世界最大の資産運用会社ブラックロックは、貿易摩擦が世界成長を圧迫している数多くの力学の一つだと指摘し、同社による新興国資産の持ち高縮小につながっていると説明した。9日発表予定の米新規失業保険申請件数は増加が見込まれている。
               

  ナットウェスト・マーケッツの新興市場アジアストラテジスト、マキシミリアン・リン氏(シンガポール在勤)は「米中の貿易問題が不透明な中、緊迫あるいは緩和のどちらでも、新興国市場は米国側からのいかなる進展にも間違いなく反応するだろう」と語った。

  新興国市場で予想される価格変動を示す指数は6日、2017年2月以来の高水準に達する一方、オフショア中国人民元の1週間物インプライド・ボラティリティーは先週、6カ月ぶりの高水準に到達。米中貿易摩擦が激しさを増す中、ドル・人民元と新興国通貨の逆相関はさらに強まった。

  中国本土の人民元相場は7月、新興国・地域通貨でトルコ・リラに次ぐ低調なパフォーマンスを記録し、これにより中国当局は政策発動を促された。中国人民銀行(中央銀行)は3日夜、一部の外為フォワード取引に準備率20%を義務付けたと発表した。

  マニュライフ・アセット・マネジメントのシニアアナリスト、リチャード・シーガル氏(ロンドン在勤)は、中央銀行の行動からテクノロジー株のボラティリティーに至るまで、投資家は「マーケットが薄い局面」でさまざまな市場の変動要因が新興国資産にどう影響するのかを注視するだろうと指摘。その上で「向こう数カ月はデュレーションを短く保ち、比較的質の高いクレジットに焦点を絞ることに重点を置くべきだ」と語った。
            
原題:Emerging-Market Volatility Bets Rise as Trade War Rattles Yuan(抜粋)

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