ドル・円、売り先行後に小反発ー貿易交渉にらみの展開

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  • 早朝に111円15銭まで下落後、午後に入って一時111円37銭まで戻す
  • ドル・円は目先111円台でもみ合いか、日米通商交渉見極めーFPG

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で、貿易交渉の行方をにらんだ展開となった。前週末のドル安地合いを引き継ぎドル売り・円買いが先行した後、小幅に反発した。

  6日午後3時13分現在、ドル・円は前週末比0.1%高の111円32銭。早朝には111円15銭と前週末3日の安値にあと5銭と近づいたものの、午前の取引の後半からは戻し、午後に入ると一時111円37銭まで上昇した。

  FPG証券の深谷幸司社長は、「特にドル・円を売る理由もない。日米通商交渉への警戒感やユーロ・円の調整などあるが、新しい材料が出ないので、ドル・円は下げ止まり。日米通商交渉で何も出なければ安心感が出るだろう」と指摘。ただ、「前週末に中国不安をテーマに円高に動いた後、人民元安に歯止めがかかったからといって、明確に円安に行く訳でもない。目先は111円台でもみ合いではないか」とも述べた。

  日米両国政府は、新通商協議(FFR)初会合を9日にワシントンで開く。茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が交渉責任者として話し合いに臨む。

  りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは、ドル・円について「思ったより米中貿易交渉は進展していないが、今後どうなるか。米中だけでなく、今週は日米もある。貿易交渉をにらみながらの推移になりそう」と説明した。

  中国は3日に公表した声明で、トランプ米政権が新たに示唆した中国への追加関税計画が実行された場合、中国は米国からの輸入品600億ドル相当に関税を賦課するとして、その対象リストを明らかにした。また、中国人民銀行(中央銀行)は同日、為替フォワード取引の一部を対象に、20%の準備金預け入れを義務付けるとの声明を発表し、人民元下落の抑制に動いた。

中国による対米報復関税計画についての記事はこちらをご覧ください。

  米労働省が3日発表した7月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万7000人増加となり、市場予想(19万3000人増加)を下回った。ーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づき推計される9月の米利上げ確率は6日時点で90.0%程度となっている。

  FPG証券の深谷氏は、「長期的にはドル高・円安傾向。9月の米利上げが視野に入ってくれば112円台に乗せると思う」と述べた。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.1551ドル。一時1.1550ドルと6月28日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。

  りそなホールディングスの梶田氏は、「前週末に人民元の下支えの話が出ている。これはドルの下押し要因になるので、ユーロが一方向に売られる感じではない。思ったよりユーロは弱いが、売りも限定的」と述べた。

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