GPIF、収益率1.68%と2期ぶりプラス、海外株高と円安

  • 主要4資産の全てで運用益、資産残高は過去2番目の大きさ
  • 株と円相場による変動大きいが数十年スパンでみるべき-三井住友信
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4-6月期、海外の株高と円安を背景に収益率が1.68%と2期ぶりにプラスとなった。6月末の運用資産は過去2番目の大きさだ。

  GPIFが3日公表した今年度第1四半期(4-6月期)の運用状況によると、収益率は1.68%、収益額は2兆6227億円となった。6月末の運用資産額は158兆5800億円と、過去最高だった昨年末の162兆6723億円に次ぐ大きさ。前身の年金資金運用基金として自主運用を始めた2001年度からの累積収益は66兆640億円に膨らんだ。

  資産別の収益額と収益率は、国内株式が4199億円で1.03%、外国株式が2兆30億円で5.17%。外国債券は米金利が上昇したものの、円安・ドル高が追い風となって1340億円で0.56%。中期ゾーンまでの国債利回りがマイナス圏にとどまる国内債券(市場運用分)も一段の金利低下で614億円で0.14%となった。

  GPIFの高橋則広理事長は公表資料で、4-6月期は国内外の良好な経済指標や堅調な企業業績、米景気刺激策が相場の支えとなる一方、期末に向けては米通商政策を巡る不透明感が重しとなり、株価は先進国を中心に小幅な上昇にとどまったと指摘。米利上げを契機に国内外の金利差が拡大したことなどから円安・ドル高になったと説明した。

  年金特別会計が管理する資金も含めた積立金全体に占める国内債の割合は6月末に27.14%と目標値の35%を約8ポイント下回って最低を更新。国内株は25.55%に上昇し、外株は25.32%と過去最高となった。外債は15.34%に上昇、短期資産は6.65%。全体の5%を上限とするインフラ投資やプライベートエクイティ(PE、未公開株)、不動産などのオルタナティブ(代替)投資は0.17%に増えた。  

年金積立金に
占める構成比
2018年
6月末
国内債券27.14%
国内株式25.55%
外国債券15.34%
外国株式25.32%
短期資産6.65%

 
  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、GPIFの運用収益は株価と円相場によって相当変動するが、年金運用は何十年というスパンだと指摘。国内債の割合を大幅に引き下げたのは低金利の長期化でやむを得なかったし、アベノミクスとの連携という面もあったとみている。

指標6月末3月末からの変化
TOPIX1730.89+0.85%
MSCIコクサイ(円換算)5.85%
米10年物国債利回り2.86%+0.12ポイント
円の対ドル相場1ドル=110円76銭4円48銭円安
新発10年物国債利回り0.03%-0.015ポイント


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