ドル・円は111円台後半、米中貿易戦争への懸念が上値を抑制

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  • 111円78銭まで強含んだ後は伸び悩み、わずか17銭の値動き
  • 米雇用統計、無難なら材料にもならない-しんきんAM

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台後半で小幅な値動き。米雇用統計への期待が支えとなる一方、米中貿易戦争への懸念が上値を抑えた。

  ドル・円は3日午後3時3分現在、前日比ほぼ変わらずの111円68銭。実需の買いなどが指摘される中、早朝に付けた111円61銭から一時111円78銭まで強含んだが、その後伸び悩み、午後は111円70銭前後で動意薄となった。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、「米国の段階的な利上げ見込みと堅調な景気拡大がいつもそこにあり、ドルを下支えしている」が、イランなどの地政学リスクや貿易摩擦に関するトランプ大統領発言などが散発的に出て、ドル・円の上値を抑えるという繰り返しが「まだしばらくは続くだろう」と予想。米雇用統計も「無難な数字が出れば、材料にもならない気がする」と語った。

  ブルームバーグ調査の予想中央値によると、7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から19万3000人増加したとみられている。6月は21万3000人増だった。失業率は3.9%と前月から0.1ポイント低下する見込みで、平均時給は前年比2.7%増と過去2カ月と同じ伸びが予想されている。

  三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、ここ数カ月の動きをみても、雇用統計発表直後は上下動が激しくなるが、失業率も4%を割ってきて、雇用者数も恒常的に10万人や20万人という数字が出てきている中で市場の反応は乏しく、「結果としては大きく動くようなドライバーにはならない」と話した。

  中国商務省は2日、ウェブサイトに掲載した声明で、米国が明らかにした中国製品への関税率引き上げの示唆に対し、報復の用意は整っていると表明した。トランプ政権は今週、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆3000億円)相当に対し計画している関税率を従来の10%から25%に引き上げることを検討していると明らかにした。

  NBCフィナンシャルマーケッツアジアのデービッド・ルー氏は、「来週は米物価統計や日米通商交渉があるが、これもドル・円相場にとって強弱両サイドの材料で、明確に方向感が出ない可能性が高い」と予想。「夏休みということもあり、そこまで市場が活発に攻める感じではないため、実需中心の相場になりそう」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1587ドル。イタリアの予算を巡る不安からユーロ安が進んだ海外市場の流れが一服し、1.1581ドルと約2週間ぶり安値を付けた後は下げ渋った。

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