銅価格7000ドルに向け反発へ、下落主導した人民元にも注目-PPC

  • 中国の銅需要は引き続き強く、さらに売り込まれる材料は少ない
  • 人民元のさらなる下落は銅相場にとっては悪影響

中国の経済成長減速や米中貿易摩擦への先行き懸念から7月に1トン当たり6000ドルを割り込んだ銅相場。国内銅製錬最大手のパンパシフィック・カッパー(PPC)は、中国の銅需要が落ち込む動きは出ておらず、価格下落は投機資金による影響が大きいとして、年末にかけて1トン当たり7000ドルを目指して反発するとの見方を示した。

  ロンドン金属取引所(LME)の銅相場(3カ月物)は6月7日に7348ドルの高値を付けた後、下落に転じた。7月19日には一時、約1年ぶりに6000ドルを割り込むなど、価格は1カ月強で2割弱急落した。2日の終値は6140ドル。

  PPCの諏訪邉武史・銅担当部長は、米中間の貿易摩擦への警戒に加えて「人民元安が今回の銅相場の下げを主導している一つの要因」と指摘する。世界の銅需要の約半分を占める中国は、自国での生産に加えて銅地金の輸入もしている。輸入コストの増加につながる元安によって需要が落ち込むとの連想が働いたほか、ドル高進行によってドル建て資産の割高感から中国系ファンドなどによる売りも招いたいう。

  市場では、貿易戦争に備えて中国が輸出を下支えすべく元安誘導を進めているとの見方もある。ドルに対して元安が進んだ6月中旬以降、銅相場の下落も鮮明となった。諏訪邉氏は「人民元がさらに安くなれば銅相場には悪影響」と語る。

  一方、米中貿易摩擦による実際の銅需要への影響は現時点では出ていないと指摘。取引先である中国の伸銅品や電線メーカーの動向を見ても「需要は引き続き強い」と感じている。自動車や携帯電話、エアコン、冷蔵庫など銅製品が使用される消費財分野への需要に波及したとしても、時間がかかるとみている。

  当面は米中貿易摩擦への懸念が商品市場全体からの資金引き揚げを招き、銅相場も影響は免れないとしながらも、銅の需給環境からすると、さらに売り込まれていく材料は少ないと指摘。市場心理の改善によって価格は反発に転じる環境にあるとの見方を示した。 

  PPCが7月にまとめた2018年の世界の銅地金需給予測は17万1000トンの供給不足。既存鉱山の鉱石品位の低下や新規の銅鉱山開発の案件が乏しいことから地金生産は抑制される。一方、中国でのインフラ投資で一定の需要下支えが見込まれるほか、電気自動車(EV)向けなどの需要の伸びも期待できるとして、21年までは供給不足が続くと予測する。

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