円全面高、米中貿易摩擦懸念でリスク回避-国内金利の上昇傾向も

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  • ドル・円は午後に一時111円52銭まで下落した後は値を戻す
  • 米中貿易問題の不透明感警戒でリスク回避的な動きーりそなHD

東京外国為替市場では円が主要通貨に対して全面高。米中の貿易摩擦懸念を背景としたリスク回避圧力に加え、国内長期金利の上昇傾向もあり、円買いが優勢となった。

  ドル・円相場は2日午後4時21分現在、前日比0.1%安の1ドル=111円66銭。朝方の111円台後半から徐々に水準を切り下げ、午後には一時111円52銭までドル安・円高に振れたが、その後は下げ幅を縮小した。

  りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは、ドル・円の下落について「昨日から株価も軟調でリスク回避的な動きとなっている」と指摘。米中貿易摩擦への警戒感が背景にあるとし、「米国が対中輸入関税を10%から25%に引き上げ検討との報道により、不透明感が強まっている」と語った。

  日本銀行は先月31日の金融政策決定会合で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」と決定。黒田東彦総裁は、従来のプラスマイナス0.1%から「その倍程度に変動しうることを念頭に置いている」と説明した。

  長期金利は2日午前に一時0.145%と1年半ぶり水準に上昇。日銀が午後に入り予定外の国債買い入れオペを通知すると、0.115%まで低下した。一方、東京株式相場は反落。日経平均株価は前日比234円17銭(1.0%)安の2万2512円53銭で引けた。

  東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、この日の国債買い入れオペについて「日銀は長期金利上昇のスピード調整したいのではないか」と指摘。「日銀が金利上振れを認めることは円高要因。ただ、米国やドイツなどの金利も上がっているので、ドル・円は大きく動かず、当面は111-113円のレンジだろう」と語った。

  トランプ米政権は、中国からの輸入品2000億ドル相当に関税を課す計画について、税率を従来予定の10%から25%に引き上げることを検討している。一方、中国は米国に対し、貿易を巡る「どう喝と圧迫」をやめるよう警告した。

中国の警告に関する記事はこちらをご覧下さい。

  あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、国内長期金利の上昇や米中貿易摩擦によるリスクオフの動きを挙げ、「ドル・円は昨日に112円台に乗せたので利食い売りに押される展開」と説明。ただ、「米国による対中関税賦課が実現していくか分からず、円買いを大きく増やす局面にはなっていない」とも語った。

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