株価楽観発言のパウエル議長、恥ずかしい思いする恐れはないか

  • パウエル議長は7月の議会証言で「赤の点滅は見られない」と発言
  • 金融システムは非常に脆弱-ハーバード大のフェルドスタイン教授

米連邦準備制度理事会(FRB)議長だったベン・バーナンキ氏は、2007年3月の議会公聴会での発言が的外れとなり、恥ずかしい思いを味わった。「抑制」される公算が大きいと予想したサブプライム住宅ローン危機が、大恐慌以来の深刻なリセッション(景気後退)につながったからだ。

  現在の疑問は、パウエルFRB議長がバーナンキ氏と同じような思いをすることがないかどうかだ。パウエル議長は7月の議会証言で、金融市場に「赤の点滅は全く見られない」との認識を示した。

  このところ見られたようなフェイスブックやツイッターの突然の株価急落は、伸長したバリュエーションの下ではちょっとしたきっかけで市場がエアポケットに入ることを示唆している。米国をはじめとする世界の主要な金融当局が流動性の引き揚げに動く中では、こうした乱気流の領域が広がる可能性がある。

  米ハーバード大学の経済学教授を務め、全米経済研究所(NBER)の名誉会長でもあるマーティン・フェルドスタイン氏は電子メールで、「10年に及ぶ超低金利の期間を経て、われわれは極めて脆弱(ぜいじゃく)な状況にある」と指摘した。

30日の米株式市場ではナスダック総合指数の直近3営業日の下げ幅は3月以来最大に

  パウエル議長は半期に一度の金融政策報告の議会証言で、金融の安定性に対するリスクを表現するのに「normal(正常)」という新たな単語を用いた。企業のレバレッジは「若干」高めだが、銀行には十分な資本があり、家計のファイナンスは伸長した状態にはないと述べるとともに、多くの金融資産の価格は高水準にあるものの、「私はバブルという言葉は使わない」と語った。

  しかし、フェルドスタイン氏にはそれほど遠慮はない。株価の上昇は過去のトレンドを大幅に上回っているため、米金融当局が資産バブルを回避するには遅過ぎると同氏は論じる

  フェルドスタイン氏は、米金融当局が来年末までに政策金利を4%に引き上げるべきだとの考えを表明。そのように行動しない場合に比べて資産バブル破裂のタイミングを早めるリスクがあるが、同氏が差し迫っていると予感するリセッションと闘うための当局の火力は、それによってもっと大きくなると主張している。

原題:Powell Risks Egg on His Face After Sounding Sanguine on Stocks(抜粋)

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