JT:今期営業益予想を減額、為替影響で-売上高予想は上方修正

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  • 下方修正した営業益、純利益予想は市場予想を下回る
  • 国内での紙巻きたばこ販売量予想の改善や海外買収などが売上げ増に

日本たばこ産業(JT)は1日、今期(2018年12月期)の営業利益予想を5410億円(従来は5610億円)に下方修正した。ブルームバーグが集計したアナリスト16人の営業予想の平均5656億円を下回った。為替レートの見直しや買収に関連した償却費用の増加などが影響した。

  業績予想の前提となる為替レートを従来の1ドル=110円から109.34円に変更したほか、英ポンドやユーロも当初見通しより円高方向に変更した。為替の影響を除外した営業利益予想については、国内で加熱式製品「プルーム・テック」の販売が順調なことや海外たばこ事業の好調が支えとなることから6070億円という従来予想の水準に据え置いた。

  一方で売上高予想は2兆2400億円(同2兆2200億円)に上方修正。国内の紙巻きたばこ販売量予想の対前期減少率を、従来の17%台半ばから14%台後半に引き上げたことや、ロシアのたばこ会社を買収したことなどが奏功するとした。

  同時に発表した4-6月期の売上高は前年同期比3.9%増加。営業利益は5.3%減となったものの、為替影響を除いた営業利益は5.5%増の1733億円となった。海外たばこ事業での単価の上昇や国内での加熱式たばこなどの順調な販売増などが寄与した。同期の国内市場での加熱式たばこのシェアは20%程度と、1-3月期からわずかに上昇したと推計しているという。

  10月には加熱式たばこを含むたばこ税率の引き上げが予定されており、同社がプルーム・テック専用たばこカプセルの小売価格を引き上げるかどうかについて注目が集まっている。みずほ証券の佐治広シニアアナリストは7月のリポートで、加熱式たばこで「増税幅を上回る値上げが実現することは中期的にたばこ産業にプラス材料」と指摘している。

当面は様子見

  都内で会見した見浪直博副社長は増税分については価格転嫁するのが基本姿勢としたうえで、国内でのプライスリーダーシップを十分に発揮できている状況ではない」とし、「もう少しの期間他社や市場の動向をにらんだ中で、適切な時期に値上げのアナウンスはしたい」との考えを示した。

  国内で人気が拡大している加熱式たばこ市場への参入に出遅れていた同社は5月、従来は9月を予定していたプルーム・テックの全国拡販を6月に前倒しすると発表。全国に広がる同社の販売網を活用し、先行していた米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)や英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)を追い上げている。

(詳細を追加して更新します.)
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